今夏のサマソニのメンツ第1弾が発表されました。個人的に、昨年は参戦を見送るほどの惹かれない内容だったんだけど、今年の第1弾はなかなかに好感触。MARS VOLTAやらDEERHUNTERやらと観たいバンドが入ってるのもあるけど、なんとなく全体的に良いバランスに戻っててきてるような、、、今後の発表が楽しみになってきましたわ。チケット代もちょっと下がってるし。ただ、大阪は場所がほんとに悪いので、ステージ構成については特に酷かった昨年からの大幅な改善を望みます。
【出演アーティスト第一弾!!】
RED HOT CHILI PEPPERS / THE STROKES / SPECIAL GUEST from UK / PRIMAL SCREAM present SCREAMADELICA LIVE(Osaka Only) / P.i.L. (PUBLIC IMAGE LIMITED) (Tokyo Only) / SUEDE / THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION / THE MARS VOLTA / マキシマム ザ ホルモン / JAMES BLUNT / PANIC! AT THE DISCO / MUTEMATH / SIMPLE PLAN / HOUSE OF PAIN / ARRESTED DEVELOPMENT(Tokyo Only) / BROTHER / DEERHUNTER / FRIENDLY FIRES / JESSIE J / MONA / NEON TREES / OFWGKTA(Odd Future Wolf Gang Kill Them All) / ONE OK ROCK(Tokyo Only) / SHARKS / TWO DOOR CINEMA CLUB and more
8/13(土)、8/14(日)
東京:千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
OPEN 9:00am / START 11:00am
1日券 15,000円 / 2日券 27,000円(税込・ブロック指定)
大阪:舞洲サマーソニック大阪特設会場
OPEN 10:00am / START 11:30am
1日券 12,500円 / 2日券22,500円(税込
http://www.summersonic.com/2011/
先週は写真撮らんかったので、正確には78回目だ。さすがにこんだけ行ってると、毎度美味いうまいと言いつつも、その回その回での「アタリ」「ハズレ」みたいなところもわかるようになるもんで、うぉ!今日のクリームパンはむちゃくちゃ美味い!とか、ん?今日のブリオッシュ生地はなんかパッとせんなー、とかいったふうに、高い平均点の中でもさらにその良し悪しが見えてくる。
そんなことを通じてふと考えてみると、外で食べる(買う)食べ物との出会いってある意味運に拠るところも大きいわけで、そうそう外食する機会が多くない身としてはほとんどのお店が一期一会的な関わりとなる中、たまたま訪れたその日にそのお店のベストパフォーマンスにあたることってほんとにラッキーだなぁと思う。だって本当は物凄く美味いものを出すお店が、たまたまその日に限って「普通」クラスの料理を出していてそんな日に当たったらもうそことはそれっきりになってしまうもんね。つまるところ、人生はむずかしい。
94年作。いわゆるアーバンリサーチ・シリーズの始めにあたる作品。自分のように後の作品から遡って読む、という失態もまぁ、ギリギリ許せるかしらん。
さておき、暴力や官能といった「劇薬」の貫入によって、本来ならありえないはずの「日常」をスリリングに体感させるのが非常に巧い作者だが、その点でいうと本作は地味かもしれん。続く"愛と悔恨のカーニバル"のようなクールに歪んだ暴力が吹き荒れることもなく、"応化クロニクル"シリーズの打ち震えるような生のドラマがあるわけでもない。今作に在るのは、一人の探偵の殺人と、その事件を個人的に調べる同業者の、実に人間くさい息遣い。
そもそもここ日本で「探偵」と聞いても、その胡散臭さ以前の問題として現実味が湧いてこないだろうが、たとえば「興信所」といったらどうだろう。浮気調査、素行調査、資産調査とその調査のお題目こそ様々ながら、盗聴、脅し、果ては暴力までなんでもやりかねんウラ稼業といった感じで一気に生々しさが増すんじゃなかろうか。本作で主役となる「私立探偵」の佐竹も、アーバンリサーチ社の面々も、いずれもがいわば犯罪すれすれのラインで生業をたてる人間たちだ。そんな世界に棲む一人、探偵の米本が殺されたことをきっかけに物語は始まる。アーバンリサーチ社の後ろ盾を得る形で独自に調査を始めた佐竹。佐竹の事務所にいわば研修生の形で預けられた中野聡子の2人は、その米本殺しの背後に一人の重度障害児が絡んだもう一つの事件があることに気づく。
物語に没頭している間しきりに思い出したのは、小学生の頃同じ教室にいた、重い障害を持った女の子の涎の匂い。甘くどこか心地よくて、同時にうとましくもあり、それでいて守ってあげたくなるような切なさと、そんな感情の揺れを持ってしまう自分への嫌悪感。けっきょく自分は、この物語に出てくるような人たちのように強い心は持っていない、卑怯な、ずるい人間なんだなと思う一方で、この物語は、というか打海文三の作品の多くは、そんな人間すらも包み込んでしまうような、真っ直ぐで大きな優しさに満ちている、とも感じる。どうしようもなくどうしようもない現実と、人間たちの有り様に溢れていながら、しかし今作には小さいながらも強い、希望の光が灯っている。
『裸者と裸者』の感想は→コチラ
『愚者と愚者』の感想は→コチラ
『ハルビン・カフェ』の感想は→コチラ
『ロビンソンの家』の感想は→コチラ
『ぼくが愛したゴウスト』の感想は→コチラ
『一九七二年のレイニー・ラウ』の感想は→コチラ
『覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪』の感想は→コチラ
『されど修羅ゆく君は』の感想は→コチラ
『ドリーミング・オブ・ホーム&マザー』の感想は→コチラ
『そこに薔薇があった』の感想は→コチラ
土曜日曜と京都へ。土曜の15時頃に到着し、先に行っていた彼女と待ち合わせ。ひさご寿司で穴子バッテラ、鯖寿司、巻き寿司、小鯛の箱寿司を購入。それから仙太郎にて和菓子を4種類ほど買って、下鴨にある彼女の実家で晩ゴハン。ひさご寿司、初めて食べたけど、高いだけあって美味しいのね。仙太郎も、これまで食べた中では一番美味しく感じたような気もする。
翌朝は8時半に起床。持って行ったNaoの食パンなどで朝ごはんにし、11時前に出発。今年はまだ初詣に行ってなかったので、下鴨神社へ参詣。そのままぶらぶらと鴨川沿いなどを歩き、器屋さんなどを覗いたりしながら荒神口のほうへ。で、予約していたビストロ・アルチザンでランチ。実に2年ぶり。今回はオードブルとメイン、デザートとコーヒーor紅茶からなるデジュネAで。
三種の胡椒を使ったパテ
こちらは彼女が注文したオードブル、カキのソテー・プロヴァンス風
こちらは彼女のメイン、ステーキ・アッシェ
こちらわたくしめ、豚ばら肉のソテー
あれこれ言うほどの舌を持ってないので手短に書くけど、どの皿も本当に、喋るよりもとにかく食べ続けていたくなるぐらい旨かった。見た目は結構がっつりしてるけど、繊細な風味が足し算されたような味のバランスが絶妙。うっかり撮り忘れたけど、デザートのガトーショコラ、柑橘系の焼きプリンもほんとに美味しかった。添えられたアイスの原料はよもぎだったり、豚ばら肉のソテーには20年物のバルサミコを使っていたりと、聞くほどにびっくりするような食材が出てくるのも面白い。とりあえず、この内容で2,100円(プラス料金のメニューでなければ1,800円なり)ってのはちょっと他には無いのでは?お店には一種独特の雰囲気(というかスタンス)が感じられるため、その辺で好き嫌いが分かれるのかもしれんけど、なんとなく行くほどにハマっていきそうな、色んな意味で実直さを感じる良いお店です。
異形コレクション『進化論』で知った作者の09年作。その進化論初出の"魚舟・獣舟"を含む全6篇を収録。
陸地の大半が水没した近未来を舞台にした表題作は、その世界設定はSF、ながら「魚舟」をはじめとする生態描写の原初的な生々しさが、なにか伝記モノを読んでいるような奇妙な感触を与える。親愛と憎悪、悲哀や恐れといった感情が鋭く研ぎ澄まされた物語は、全体にグロテスクだが魅力的なドライヴ感を纏う。個人的には続く"くさびらの道"も好み(というか一番怖い)で、人体を食い尽くす寄生茸の蔓延により壊滅した町を舞台に、やはりここでも情動と恐怖とが濃密にクロスする異形の世界が展開される。個性的といえば次の"真朱の街"も同じく、最先端の科学によって「もはや外見も知覚も妖怪と遜色なくなった」人間たちと、そのことを理由に「姿を現すことを自粛しなくなった」妖怪たちとが共存する実験都市が舞台とされている。この言いようのないファニーさが漂う世界での悲喜こもごもは、顛末にやや物足りなさこそ覚えれど、独特の魅力を感じる。近未来を舞台に、しかしここでもパーソナルな心情にスポットが当てられた"ブルーグラス"も、ちょっとキャラクターは弱いけど悪くない。
ラストに収められた"小鳥の墓"は、全体ヴォリュームの半分近くを占める書き下ろし中篇作。きわめて限られた人間しか住むことのできない「教育実験都市」で暮らすことになった"僕"の物語。そこに住む均質で、ひたすらに模範的な人々、という描写は最近読んだ伊藤計劃"ハーモニー"の世界もチラと思わせるが、こちらで照射されるのは"僕"の内面性。設定も展開もそこそこ魅力的だけど、本作においてはこの長さと密度はやや不完全にも思われた。聞けば著者の長編作"火星ダークバラード"とリンクしているらしく、近々こちらも読んでみようと思う。トータルで「会心の一撃!」とまではいかなかったが、各所でクリーンヒットが放たれる、あきらかに好みの一冊。
音楽、やべえわ。こら、あかん。
『講談社書き下ろし100冊』企画で刊行された今作が素晴らしかった!ほんま、先の"♂♀"感想で貶してごめんなさい、いう感じ。著者15年ぶりの青春音楽小説!という惹句に期待と不安半々で臨んだが、結果は↑に書いたとおり。この人にしか絶対書けん「音楽」の強烈な鳴りっぷりに、ときおりヂンとくるような興奮に襲われた。格好よすぎるぜ。
なんとはなしに不登校、ってな状態だった火田光一(ピカイチ:本名)が、人と、ギターとの出会いをきっかけにかき鳴らし始める音楽=生のペンタトニック。旨みのある熱量をピンポイントで炸裂させながら、抜けるように鮮やかな文体が疾走するサマがひたすらに熱く、クール。
東京芸大卒、かつては凄まじい博打打ち、そして現在は京都で小料理屋を営む大将=父(92年作『二進法の犬』を思い出したり)を筆頭に、ピカイチを取りまく人間たちは皆、愛すべき個性を感じさせる。同級生の美少女、日向との出会いや、ブルースに憑かれた日向の兄・幸多を通じてレスポールを手にするくだりなど、普通に考えたら多分に妄想的なんだけど、そんな小賢しいことを考える暇もない、弾けるようなグルーヴにすっかり取り込まれる。
思い切り跳んで、ダウンストローク。
ピックが六弦に激突し、そのまま弧を描いて一弦まで駆け抜ける。その瞬間に放たれる軋みのなかには、たしかに幸福がある。
音楽がもたらす絶対的な喜びと昂揚を五線譜に、京都での日常、彼女と二人きりで没入した沖縄での濃密な時間、八ヶ岳山荘での音楽合宿のくだり、そして所々で登場する美食や音楽に対する解釈といったものが魅惑的なフレーズとして散らされて、物語に言いようのない輝きを与えている。
なんだか悔しい気もするが、本書の端々では、あきらかに自分よりも音楽の深い部分に触れていそうな作者の視点も感じる。と同時に、その本質を視得た作者だからこその描写は、不能感にも似た昂揚でこちらを取り巻くのだ。
理屈ではない。純粋な幸福。その破片。それが音楽に宿っているものだ。
「吉祥寺幸荘物語」とも「ブルース」ともまた違った、それでいてこの作者にしか描けない世界。初めて読む人にもオススメしたい。
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