1月初旬に予約注文していたUSBケーブルが届いた。使用目的は、先に購入したSA8004とPCとの接続。ライン入力でSA8004をDACとして使用することで、最近流行りのPCオーディオもどきをやってみようと思ったわけ。
PCでのWAV再生には、音が良いとネットで評判だったKMPLAYER + Reclockを使用。Reclockの出力バッファの設定がうまくいかなくて、思ってた以上に時間がかかったんだが、なんとか音出しできるようになった。理屈的には「CD再生とは根本から異なる仕組みがもたらす高音質」が聴けるはずなんだけども、少なくとも自分が聴いた限りでは、何か設定が間違っているとしか思えない音質でガックリ。確かに各音の粒子の艶感みたいなものがノッて聴こえる部分はあるんだけど、音の重なりが生むダイナミズムが激減してしまう音楽には、もはや生気が感じられず全然楽しくない。やっぱりなんか設定がおかしいんだろうか。教えてもらおうにも、聞ける人がおらんくて困っておりますの。
デビュー4作目の『土の中の子供』で第133回芥川賞を受賞した著者の、こちらはそれに先立つ2作目。短編とも言えそうなぐらい頁数的にはコンパクトな作品だが、その質感はけっこうヘヴィだ。端的に言うと、交通事故で恋人を失った、虚言癖のある大学生の「私」の一人称で綴られる日常なのだが、さらにそれを一言で表すともう、「病気だ」としか言いようがない、ちょっと理解できない隔絶感や無力さを覚える。
男は、死んだ恋人の身体の一部分を瓶に入れて持ち運んでいる。その近況を尋ねる知人に対して、彼女はシアトルへ留学し、向こうで語学習得に勤しむ楽しい毎日を送っている、といった物語を騙り続ける「私」には、既に自分は正常ではないという認識がある。そしてその認識は「私」に、社会とのあらゆる接点において演技をしている自分を眺めているような、かなり異様な視点を付与している。外との接点をすべて虚飾で塗り固め、内なる世界で彼女との思い出を永遠化する、というと聞こえはいいけれど、個人的には本書からはそうした"究極の純愛"めいたものは感じず、逆に何かが欠損した人間に対する、得体の知れない怖さを強く感じた。それは、単に死体の一部を保存して持ち歩くという行為に対してというよりは、いたるところで他者への異常な暴力という形で発露される男の行動にこそ起因しているのかもしれないが。つまりは自分の一種ステレオタイプな道徳観/潔癖性は、男の行動を「理解できないもの」として拒絶して、閉じた。人間の感情なんて所詮、理屈で説明できるもんじゃないとは思うんだが、そうしたおよそステレオタイプには計り知れない「私」のナニかに、感応できるかどうかでこの作品の評価は大きく変わるんだろうと思う。これが届いてこなかった理由はまだ若い作者ゆえなのか、凡庸な自分にあるのかはさておき、一つ大きく気になったのは、ラスト近くで男のその性質は、恋人の事故死からさらに遡ったその生い立ちに起因している、というふうなことが仄めかされる場面があるところ。これはなんだか、殺人犯をモノダネにするマスコミが大喜びしそうな、理解できないものを無理やり理解の範疇に押し込めて安心するためのツールみたいだなぁと。「私」への感情移入を誘うようなこの背景描写は、この作品においては大きな違和感でしかないと思った。
こちらスペインへ行った際に見事に見逃したToundraのライブ映像。
このままオフィシャルのライブDVDに出来そうなぐらい、映像もサウンドもすばらしい!
Toundra - Medusa Live at BAM ! from Letsgoproject on Vimeo.
Toundra - Bizancio Live at BAM ! from Letsgoproject on Vimeo.
私的な感情のウネりにも、巨大な歴史の胎動にも聴こえる"Bizancio"もさることながら、1st収録の"Medusa"の激情的な展開に悶絶であります。あぁ、ニポンに来てほしいよー
スペイン旅行へ行った際、泊まったアパートやホテルなどで室内にごくナチュラルに良い香りがしていることが多くあり、あらためて日常にそうしたフレグランスが溶け込んでいることの良さを実感。なので帰ってきてから、その手のアイテムで何か良いものがないか探していた。
このフレグランス・ディフューザーは、挿し込んだスティックを通して香りを空間全体に広げるという仕様。1年ほど前に某インテリアショップで購入したものを使ったこともあるんだが、そのときは香りがちょっと重すぎるかなぁという印象だった。
今回買ったのは、イタリアのMILLEFIORIのもの。神戸BALに取扱店舗があったため、三宮に出たついでに寄ってみた。下の価格帯からそれぞれ"NATURAL(16種類)、SELECTED(8種類)、"ZONA(8種類)"の3ラインに分かれており、その中から気になる匂い数種をテスターで嗅いでみた。嗅いでみて感じたのは、NATURALとSELECTEDはどちらも基本のノートに、香りに重みを出すようなテイストが加味されていることで、個人的にはその辺がちょっと甘ったるいというか、不自然に感じた。そうした感じが最も少なかったのがZONAで、結局このラインから「Alberi di Cedro(セダー)」の250mlサイズのリフィルを購入。価格は2,520円で、スティック(8本入)が735円。これがセットになると250mlサイズで6,300円もするんだが、四角いだけのガラス瓶とプラスティックのカバーに入ってるだけだという、、、リフィルを買って自分で好きなガラス小瓶に入れたほうが断然良いと思う。もうちょっとマシなデザインで、価格がこなれてきたらもっと売れるだろうに。自分は先に載せたIKEAの"YNGAREN"のボトルに移し替えて使っている。これが良かったら、もう一つ気になったユーカリの香りがベースの「SPA&THAI」も買ってみようかと。
これまた、マキノ徴のエンタメ精神がドッサリと詰め込まれた快作。金敷署生活保安課防犯係特殊相談対策室−通称:ダメなほうのトクソウ。この警察官の掃き溜めともいうべき署内の鼻つまみドコロである部署を主体に、続発する奇っ怪な事件を追い、巻き込まれしてゆくクログロとしたストーリー。
そもそもこのトクソウ、「UFO」やら「宇宙人」、「電磁波に殺される」だとかいった"特殊な相談"をするアレな人たち専門の御用聞き部署、という割り当てなんだが、今作ではそうした"アレ"な飛び込みを発端に起こる事件が積み重なり、やがては町を、そして国全体をも震撼させる背景へと繋がっていく。
警察小説、と呼ばれる類のものとはちょっと違うが、警察という組織をネタに、これまでになくリアルな、日常に潜む策謀のコワさがなんともウマく滲出されているのが特徴。ある意味「牧野式毒電波」がこれほどストーリーの形成上有効に使われているのも珍しく、ぶっ壊れた人間の怖さにとどまらず、それを成し得る「理論」の、決して新しいものではないはずのそれの箔づけにとてもウマく作用している。連作短編の形式でお話は進んでいくのだが、そもそも第1話目で主人公かと目された人物が「エェっ!」という事態になっちまうところからしてもう、ね。その「エェっ!」と引き込まれた段階で作者の勝利は決まったも同然で、あとは雪だるま式に興奮が膨らみ、ページをめくる手が止まらんくなります。その実あとがきで作者はその「難産」を告白してもいるんだけど、努力の跡は全編を通してのカタルシスへとしっかりと昇華されている。全二巻/二段組というヴォリュームに対する期待を見事に裏切らない快作。読み始めたら止まらぬこと必死なので、ハナから2巻を手元に置いとくのがよろしいかと思われます。
『MOUSE』の感想は→コチラ
『楽園の知恵 あるいはヒステリーの歴史』の感想は→コチラ
『記憶の食卓』の感想は→コチラ
『ネクロダイバー 潜死能力者』の感想は→コチラ
『ファントム・ケーブル』の感想は→コチラ
『忌まわしい匣』の感想は→コチラ
『黒娘 アウトサイダー・フィメール』の感想は→コチラ
『蠅の女』の感想は→コチラ
『アロマパラノイド-偏執の芳香』の感想は→コチラ
『リアルヘヴンへようこそ』の感想は→コチラ
『夢魘祓い --錆域の少女』の感想は→コチラ
『少年テングサのしょっぱい呪文』の感想は→コチラ
『そこに、顔が』の感想は→コチラ
『REDLINE』の感想は→コチラ
昨晩、何とはなしにIKEAのWEBサイトを見ていたところ、以前より狙っていた商品が入荷されているのを発見。で、本日午前中に行ってきた。
それがこちら。YNGARENのボトル3本セット/999円。神戸店に入ってきたのはたぶん今回が初めてじゃないかしらん。ガラス製で、綺麗な色の組み合わせ。その辺の雑貨店だとこの値段でこれは買えんだろうと思う。少しマニアックな話をすると、デザイナーはSarah Fager。といっても別に有名な人ではないが、個人的にIKEA製品のデザイナーの中で、この人はかなりのお気に入り。OSTLIGシリーズのスチール・プランターに始まって、最近だとMAHULTの写真フレームも良い感じだった。若干変な物言いになるが、北欧、と聞いてイメージするシンプルさよりは、ヨーロッパ的な小洒落た可愛らしさを感じるフォルムや素材/色使いがツボ。良い意味で雑貨的なニュアンスが強いのも好きなポイントなのかも。安価でちょっと変わった良いデザイン、というIKEAの良い部分を強く感じられるデザイナーです。
こちらもYNGARENシリーズのボウル/299円
あとはトイレに増設するLACKの棚(999円)と、LEKSVIKのアイアンフック/499円を購入。実際に設置した様子もまた後日UPする予定。
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