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悲夢@梅田ガーデンシネマ

キム・ギドク監督×オダギリジョー主演の韓国映画。水曜サービスDAY価格の1,000円で観て来た。

物語の表層としては、ジン(オダギリ)が過去に別れた女の夢を見ると、その夢のとおりにラン(イ・ナヨン)が行動してしまう(夢遊病)というもので、過去の女性を「忘れられない」オダギリが見る夢に対し、その夢のせいで本当は「思い出したくもない」ほど憎んでいる過去の男へ、自分の意識とは裏腹に再会させられてしまうイ・ナヨンという構図になっている。で、「なんでそんな夢見んのよ!」「ボクだって見たくて見てるわけじゃないんです!」となるわけだけど、なんというか、微妙。全般的に設定・展開の粗さにものすごーく引っ掛かりを覚える作品で、なにせ全編に渡ってオダギリは日本語、その他俳優は韓国語で、なのに普通に会話が成り立ってしまう、というトコロからして「なんかヘン」な感触が。その異物感を巧く作品トータルで昇華させて魅せるのかしら?と思っているも、けっきょく最後までその感覚は変わらずじまい。

相手のために「寝まい」とする人間(ある意味究極の愛情表現ともいえそう)の、その必死ゆえに笑いと狂気がごった煮になったような「怖さ」を感じさせる描写を筆頭に、独特の見ドコロは在ったはずの作品なんだけども、とにかく表層的な粗さが目立つ違和感を払拭できぬまま、その狂気(?)の世界へ入り込めないままに終わってしまった感じがする。「ほんとうにすいませんでしたッ!もう、絶対に寝ませんから!もう、あなたには何も起こりませんから!!」ってなんだ、今こうして字にして思い返してみると結構面白かったような気にもなるが、初体験のキム・ギドク作品はやや不発。今度はこの監督に中毒している彼女がオススメだっちゅう『弓』を見るつもり。
| かっつん | 21:00 | comments(0) | - | pookmark |
泡坂妻夫/湖底のまつり

本年2月に逝去された、ミステリ界の巨匠による78年作。ダム建設により水没する運命となった寒村での殺人事件を巡り、、、という火スペばりの世界ながら、巧みな描出で翻弄し、幻惑で巻くまま次第に露わになるソレに魅入られること必至の傑作です。

あら筋は、述べたとおり。本作は「紀子」「晃二」「粧子」「緋紗江」そして「終章」から成る五章で語られ、美しくも妖しい情感上で、次第に事の真相が明かされていく。異なる視点の重なり・ズレを巧妙に操り紡がれる世界は、一つの情景をなぞるようでいてその実不可思議なブレをもって再現され、どんどんと幻想的な深みを増していく。加えて、物語の「核心」ともいえる性愛描写のエロティシズムがなんとも・・・。窒息しそうな官能に溺れるままに見事、作者の「術中」にハメられてしまったのでした。ラストで「浮上する」、それこそ幻風景めいて美しい景色の凄みも絶品。本格ミステリの妙、並びに官能幻想の極みを堪能できるスバラシの作品でした。
| かっつん | 22:52 | comments(0) | - | pookmark |
N/A


| かっつん | 23:13 | comments(0) | - | pookmark |
ぎゃー!!!

サマソニにMERCURY REV決定!!!
というわけでこの日はもう参戦決定!!!
01年と同じパターンで単独もあったら嬉し死ぬ。
ヤバイ、久々に興奮。MOGWAI/LIPSと同日ってのは無理か、さすがに。
MEW、PLACEBO、SONIC YOUTHも観たいー。以下2chより転載


一般公開にさきがけて、本日第1弾アーティスト発表!!

Linkin Park/My Chemical Romance
Nine Inch Nails/The Specials/The Flaming Lips
Aphex Twin/CSS/The Enemy/Klaxons
Mogwai/Paramore/Placebo
Sonic Youth/Soulwax/Teenage Fanclub
Boys Like Girls/Cancer Bats/Datarock/Enter Shikari/
Ghostland Observatory/Girl Talk/Hollywood Undead/Kid Sister/Kyte
Lady Gaga/Lenka/Little Boots/Mando DiaoMatisyahu/Metronomy
Mew/Mercury Rev/Mutemath/Red Light Company
Saosin/2 many DJ’s/The Vaselines/VV Brown/Yuksek…and more!!
| かっつん | 21:05 | comments(0) | - | pookmark |
吉川良太郎/ペロー・ザ・キャット全仕事

幽霊になったぼくは、プラグからコードへ、そして電波の速さで上空一万二千メートルの静止通信衛星をあざやかなヘアピンカーブでカッ飛んで、地上へ降り立った。
あらかじめ降りていた天使の肉体へ。



異形コレクション34『アート偏愛』掲出作"ドリアン・グレイの画仙女"での独創的、かつ素晴らしい世界に魅了され、続けて手に取ってみたのが本作。著者のデビュー作にして、第2回日本SF新人賞受賞作です。

近未来フランスを舞台に疾走する新感覚SFノワール。緻密にして大胆!な展開でカッ飛ぶイロメキの虚構が素晴らしく、面白い!主役は「ぼく」ことペロー。世のしがらみを厭い、可能な限り他者との関係性を廃した生活をモットーとする。そんなペローがある日、ヒトの意識を動物に転移させ、その肉体/感覚を共に操ることを可能にする「極秘システム」を手に入れたことから物語はロールを開始する。自分仕様にモディファイした改造ネコちゃんに乗り移り、イロと欲が渦巻く暗黒街「パレ・フラノ」を自由気ままに飛び回っていたペローでしたが、悲しいかなその自由は続かず、もれなくギャングに嗅ぎつけられて御用。あとは暴力で脅され囲い込まれて取り込まれ、暗黒街で蠢く陰謀の渦へと巻き込まれていくのでした・・・という御話。

発表当時の作者は若干24歳の大学院生。その若さが瑞々しき蒼色となって奔る文体が、めっちゃくちゃ軽妙で小気味良い。裏の裏をかく陰謀が支配するストーリー軸もさることながら、端々で差し込まれる、というかほとんど言葉遊びの洪水とも言えるユーモア感覚が絶品。タイトルからも推し量れるとおり、シャルル・ペロー『長靴をはいた猫』や漱石の『我輩は猫である』を筆頭に、『蠅の王』や『アリス』『変身』からハルキまで、名だたる有名作/キャラのパーツを自然体で取り混ぜ放り込んでくる感覚がタダモノでない感じ。ハラハラドキドキで渦を巻き、一挙にウワォーッ!と疾走する物語の渦中でいきなり"長い換気トンネルを抜けると、そこはツンドラだった。"と来た日にゃもう、笑うしかないニャー。ネコちゃんに乗り移ったペローからの視点による描写もまた爽快極まりなく、ライト級であるがゆえの爆発的なドライブ感の創出をバッチリ成し遂げちゃっている。ほんと巧い!上手く言い表せないけれども、この若さでしか書き得ない「蒼いドライヴ感」めいたものが、最高の形で表出して感じられる良作でした。
| かっつん | 21:09 | comments(0) | - | pookmark |
きょうの壁

@京都・東山界隈
| かっつん | 20:27 | comments(2) | - | pookmark |
WARLOCKS!!!!!!!!!!!!!!!!

We Have Signal: Live From Birmingham - The Warlocks
久々に聴いたけどやっぱりむちゃくちゃ気持ち良い・・・
サマソニぐらいで呼んでくれんだろうか。08年はスピ&ジザメリもあったことだし。
| かっつん | 20:25 | comments(0) | - | pookmark |
平山瑞穂/ラス・マンチャス通信

これは悪夢だなぁ。悪夢悪夢悪夢悪夢・・・
傑作。異常な吸引力と読後に残る強烈なインパクトが図抜けている。就寝前に読み進めていたんだが、さながら眠りに落ち込む快楽と、その落ちざまに非現実的でオソロシイ出来事へ次々と対峙させられるようなストレスを同時に体感。平山氏のデビュー作にして、第16回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。五章構造の連作短篇が、そのマウントによって正体不明の重み・圧力を増してくるサマが異様だ。完成されている。そして面白い。

始終に渡って「僕」の視点から展開される不穏な物語は、両親、姉と共に暮らす「僕」が、姉を犯そうとした"アレ"を始末する『畳の兄』から始まる。話の骨格としては(おそらくなんらかの障害を負っていた?)兄を殺してしまった「僕」が、しかるべき更正施設へ入れられたのちに出所し、どこか遠く離れた町々で"やり直していく"過程が描かれているのだが、その全像は意図的に、きわめて不鮮明な幻想でマスクされている。

異常な嫌悪感を催す「アレ」の存在や、その畸形を強く印象づける「陸魚」なる生物、あるいは土俗的な恐怖を煽る「次の奴」や人の子を喰らう「鬼」といった超常的存在から、真っ黒なモヤモヤに覆い尽くされた胡乱(うろん)な登場人物らまで、背後に強い象徴や隠喩を推測させる世界は、しかし最後までそのヴェールを剥ぎ取ることが叶わぬままに進められていく。どれだけ読み進めようが、家族を含め取り巻く人物らには常に、黒いシルエットのみで顔の部分には"?"が付されているような曖昧な感触が付き纏う。作中ある人物に対して「僕」が、のっぺらぼうで、はっきりと定義できない。そのくせ影のようにいつまでも執拗につきまとう存在と形容する記述が出てくるが、この感覚はそのまま本作に対するイメージにも折り重なる。夢の中で"恐ろしい何か"に追われて逃げるも、まるで水中にいるかのようにしか足が進まないもどかしさを覚えることがあるが、今作にはそれとも似た、一種やり切れない感覚を覚える。絡みつくそれを"不条理"と捉えるなら、今作に対する「カフカ(不条理)+マルケス(リアリズム)+?」という形容も納得か。本作は"幻想小説"ではあるが、その幻想に安穏とできる箇所はほとんど無い。抽象的な幻想でマスクすることで、かえってその背後に救い難い現実を感じさせるというか。

と、作品に対する思考が同じトコロを廻り始めたため強制終了。とにかく、面白い。非常に稀有な魅力を持った素晴らしい作品だと思った。榎本耕一氏による神秘的な装画も素敵。
| かっつん | 21:45 | comments(0) | - | pookmark |
お洋服

を、久々に買いました。yoshio kuboのカットソー。薄手です。下に何も着ないともれなく乳首が浮く。ボーダーは実際に着てみると、思ってた以上に押し出しが強くて似合わない〜ってなることが多いのだけども、これは素材の薄さとライン幅の絶妙さが相まって、かなり使いまわしが利きそうだと思った。


こちらはドメブラのカーディガン。買った理由はズバリ安かったから。SALEにかかっていたため6,000円弱で買えた。素材はあんまり良くないんだけど、タイトめの作りなので着るとキレイに見える。例えばEDIFICEやUAなんかで、これのもうちょっと素材が良くて、だけど端々のサイジングが微妙にデカイため不恰好になってしまうものを15,000円近く出して買うことを考えると、これはとてもとてもお買い得な品物である、、、と短時間で己をマインドコントロールして買った一品。仕事時用であります。
| かっつん | 23:57 | comments(0) | - | pookmark |
元町廃墟

最近教えてもらって初めて知った身近な廃墟。
JR元町駅のすぐ山側にある元ラブホテル、らしい。
ネットで調べてみたところ、平成14年に倒産したらしいのだが
何故この一等地にこれだけの建物がそのまま棄て置かれているのかは不明だとか。
ご覧のとおり、近隣はごく普通のマンションやオフィスビルが立ち並ぶほか
すぐ西側にはパルモア病院もございます、という立地。
存在の背後に、何かアンタッチャブルな黒さを感じます。






窓が開いてるところが絶妙な気色悪さを誘います。
あー!!!窓からなんか覗いてる!
とか言わないように。怖いから。
一番下の写真、右下の部屋の窓辺に写ってるのは人じゃありませんからね!断じて。


| かっつん | 21:37 | comments(0) | - | pookmark |

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