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サン・ジャックへの道@シネリーブル梅田
2007.03.31 Saturday | category:映画
2005/フランス/監督:コリーヌ・セロー
先日のみんぱくゼミナール『聖地巡礼』で知った作品。
公開初日に観に行ってきました。
会社経営と家庭のストレスで薬に依存している兄のピエール、支配的で頑固な教師のクララ、アルコール漬けで家族にも見捨てられ一文無しの弟クロード。互いを認めず険悪な仲の兄姉弟が、亡き母親の遺産を相続するため、フランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmにも及ぶ巡礼路を一緒に歩くとというのが粗筋。このツアーの同行者は、ベテラン・ガイドのギイ、楽しい山歩きと勘違いしてお気楽に参加したハイティーンの女の子達、エルザとカミーユ、カミーユを追って参加したアラブ系移民の少年サイッド、従兄弟であるサイッドにだまされてイスラムのメッカへ行けると信じ、二人分の旅費を苦しい家計から母親から捻出してもらったラムジィ、頭をターバンで包んだ物静かな女性マチルド。そうした9人の男女の群像劇を追ったロードムービー。
顔を見るのもごめんだわ!といった仲の悪い兄妹が、3ヶ月も寝食を共にするのだから、スタートからして喧々諤々。隙あらば相手の粗を探しあげつらい、罵倒する。まぁその口の悪いこと悪いこと。周囲の迷惑顔もお構いなく応酬される罵詈雑言の嵐がかなり笑える。フランス人の野卑な部分を強烈に押し出したようなこの描写は、かなりシニカル。でもってその仲を取り持つガイドのギイは黒人、さらにはそうしたネジクレタ白人たちと対照的に、ひたすらにピュアで濁りの無いキャラクターとして描かれるアラブ人のラムジィの存在など、かなりストレートな風刺に満ちた作品でもある。
面白いのは、随所で挟み込まれる各人が見る夢の景色。それぞれが抱える内面の問題をデフォルメし強調した、幻想的である種グロテスクなそのシーンの挿入が、なんとも不可思議なスパイスとなっていて面白い。少しストーム・トーガソンなんかを思わせるヘンテコな世界と、現実に続くストイックな巡礼道のコントラスト。そう、この巡礼道を取り巻く景色も本当に美しい。時にくねりながら真っ直ぐに、どこまでも続く道。それを囲む山と広大な平原。限りなく広がる世界、果ての見えぬ広さを感じさせる美しい草木と大地の映像は、本当に壮麗。
人は歩くことによってまずその身体に変化が起きる。体つきが変われば次は精神が変わる。そうして変化していく人々を描くことにより、普段の社会において当たり前のものと捉えられている固定の観念に揺さぶりをかけたい、というようなことをコリーヌ・セローという監督はどこかのインタヴューで言っていた。この作品においても、物語が(あるいは道のりが)進むほどに、五月蝿いまでに喋りまくっていた9人は、次第にその口数を減らしていく。そしてそれと反比例するように、画面を通して、各人の表情や息遣いを通して伝わってくる感情は重みを増して感じられるようになる。先のゼミナールにて講演を行っていたミッシェル・ラヴェドリン氏が、「巡礼の目的はとにかく"歩く"というそのこと自体にある」というようなことを言っていたけれど、ただただストイックにひたすら歩くという行為が人間に与える変化、そうしたものが観ていてしっかりと伝わってくる。そこに妙な誇張が無いところが、逆にその量感を増しているようにも感じられた。旅の終局にて訪れる、物凄く美しい風景描写とラムジィを取り巻く劇的な展開には、かなり琴線を揺さぶられました。
人種差別や聖俗界の欺瞞に対する風刺など、それなりにメッセージ性の強い作品であるにはあるが、全体としてかなり観やすく面白く、別に小難しいことを考えることなく楽しめる作品だと思う。シニカルな笑いの連発と小気味良いテンポの画面描写も相まって、120分近くの時間があっという間に感じられたスゴク良い作品でした。
公式サイト
自分という人間同様になんとも言えぬスケールの小ささを感じさせる写真達
2007.03.30 Friday | category:写真
どんてん生活/99年/90分・カラー
2007.03.28 Wednesday | category:映画
監督:山下敦弘
出演:山本浩二 宇田鉄平 康季丹 前田博通 今枝真紀
概要:山下敦弘監督初の長編作品。パチンコをこよなく愛する無職の青年、努。今日も朝からは真冬の冷たい風に吹かれながら開店前の時間をボーッとやり過ごしていた。するとそこへ頭をポマードでガチガチに固めた特大リーゼントに真っ赤なカーディガンを羽織った男が努の横に並んできた。その異様な風貌に圧倒され、平然を装おうとする努だったがその男、南紀世彦は買ってきた缶コーヒーを努に差し出しながら声を掛けてきたのだった。
というくだりが有るには有るのだが、言うなればこの90分間の作品に収められているのは、職も無いすることも無い、時間はまぁ有る、そして不安や焦燥多いに有る、という男2人を取り巻く日常、そして心象風景。
まぁ本当にこの山下敦弘という監督は巧い。というか撮る力をヒシヒシと感じさせられる。どこにでもありそうな日常の群像劇から醸し出される閉塞感や焦燥感、何とも言えない不安定で居たたまれない空気といったものが、画面を通じてびしびしと伝わってくる。また一方で、そうした感情によりジワリジワリと追い詰められ、フトした瞬間に人間が"壊れて"しまう、その一線を越えるか越えないかの狂的な瞬間の描写など、相当にリアルで説得力がある。どちらかと言えばかなり重い空気に席捲されていながらも、そこから洩れ来るなんとも言えずユーモラスな瞬間が多々あるのも、この監督の作品の中毒性を高さの原因かもしれない。
とりあえず、毎年この時期にうじゃうじゃと湧いてきてはアチラコチラで世間知らずな馬鹿話を人目も憚らず大声でのたまっているバカ新採どもが見たならば、フフン駄目人間めと鼻で笑って終わってしまいそうな内容の作品であるが、そいつらに1年後(あるいはもっと早い時期かもしれないが、、、)社会の辛酸を舐めなんやかんやと思い悩むようになった後に観たならば、かなり感じ方が変わりそうなそんな作品。
・・・
というわけで全く上手くまとめられませんでした。
ダリ展/創造する多面体@サントリーミュージアム天保山
2007.03.27 Tuesday | category:アート
気合を入れて書いたのだが、なんということかUPする前にシステムエラーにより記事が全消去という憂き目に2度も遭ってしまいもう止めようかと思っていたのだが、やっぱり頑張って書き直した記事です。だいぶ短くなりましたが。
というわけでお暇な方は以下どうぞ。
---------------------------------------------------------------------------
それは3月14日水曜日のこと。Zepp大阪でのMUSEのライブを後に控え、その会場を対岸に臨むサントリーミュージアム天保山へ『ダリ展』を観に行ってきた。平日にもかかわらず結構な賑わいっぷりであるのは、単純にその奇天烈なお髭が印象的なダリその人の人気に因るのか、それとも聖ヴァレンタインを祭るこの日の南港という場所に因るものなのか、はたまたそのどちらでもあるのかは不明。いかにも美大生!な感じの若者が多く見られた前回の『Bill Viola展』と比べると、なにやらラフな感じのカップルの率が高い感じ。
会場内では、多岐に渡るダリの諸作品が展示されている。ダリについてはこれまで特に興味は無かったのだけれど、実際作品に相対してみてとにかく感じたのは「表現せんとする世界を一片の揺らぎもなく確定し、加えてその表現において最も適した媒体を選択し、かつそうして形成されたイメージを完璧に表現し伝えうる技量を併せもった」すげー人なんだなぁということ。どの絵を見ても、主題や構図、色遣いのどれもが見事な相乗効果を成して迫ってくるようで、変な言い方ではあるがどれも非常にキャッチー。言い換えるならば、主張せんとすること(というか感覚)が、ハッキリと私どものような一般大衆にもバッチリくっきりと伝わってくる。感じ取れる、ような気がする。
そういった意味では、非常にプロデュース能力に長けた人だな、とも思う。なんというか、その特異なお髭が印象的なセルフ・ポートレイトなどから、変質的なイメージがあったのだが、作品を通してみるだにこの人からは病的なヤバサとでもいうべき匂いが全くといっていいほど感じられなかった。細かで神経質そうではあるが、「壊れた」部分は無いというか。こうした点は実際にこの日作品に触れるまでは思ってみたこともなかったことで、その印象の転換は個人的になかなか驚きであった。
有名なグニャリと溶けた時計や炎上する麒麟など、潜在意識を具視化すべく描き出されたオブジェクトは、はっきり言って私なんかとはリンクする微小点すら無い(そもそも、"潜在光景を描き出す"という時点で意味が分からん。。。)ので、なーんにもそこから具体の感情は喚起されることは無いのだが、そうした絵画においてもごく単純に、その構図の迫力や、構成の巧みさ、色遣いの美しさといったものだけで、いとも容易く観る者を圧倒するものがある。油絵があんなに美しいと思ったことはこれまでに無いぐらい、油彩などはさながら宝石のように煌めいており、生で触れることの価値をヒシヒシと感じさせられたりした。
もう少し細かいことを具体に書くと、個人的にこの人の描く空の蒼色がとても好きだった。湧き立つ雲と共に黄色がかったその空は、agfaのフィルムで撮ったそれのようであり、暗澹たるようでその実深いノスタルジックな昂揚を孕んだ空気を充満させており、なんとも言えない興奮を観ていて覚えさせられた。これも、ポストカードと原画では全くその質感が異なります。
今月のエルマガの美術館特集でも取り上げられているようですが、展示会場もかなり気合いの入った造りをしており、なかなか無い充実ぶりが感じられる素晴らしい展示でした。
終わり。
というわけでお暇な方は以下どうぞ。
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それは3月14日水曜日のこと。Zepp大阪でのMUSEのライブを後に控え、その会場を対岸に臨むサントリーミュージアム天保山へ『ダリ展』を観に行ってきた。平日にもかかわらず結構な賑わいっぷりであるのは、単純にその奇天烈なお髭が印象的なダリその人の人気に因るのか、それとも聖ヴァレンタインを祭るこの日の南港という場所に因るものなのか、はたまたそのどちらでもあるのかは不明。いかにも美大生!な感じの若者が多く見られた前回の『Bill Viola展』と比べると、なにやらラフな感じのカップルの率が高い感じ。
会場内では、多岐に渡るダリの諸作品が展示されている。ダリについてはこれまで特に興味は無かったのだけれど、実際作品に相対してみてとにかく感じたのは「表現せんとする世界を一片の揺らぎもなく確定し、加えてその表現において最も適した媒体を選択し、かつそうして形成されたイメージを完璧に表現し伝えうる技量を併せもった」すげー人なんだなぁということ。どの絵を見ても、主題や構図、色遣いのどれもが見事な相乗効果を成して迫ってくるようで、変な言い方ではあるがどれも非常にキャッチー。言い換えるならば、主張せんとすること(というか感覚)が、ハッキリと私どものような一般大衆にもバッチリくっきりと伝わってくる。感じ取れる、ような気がする。
そういった意味では、非常にプロデュース能力に長けた人だな、とも思う。なんというか、その特異なお髭が印象的なセルフ・ポートレイトなどから、変質的なイメージがあったのだが、作品を通してみるだにこの人からは病的なヤバサとでもいうべき匂いが全くといっていいほど感じられなかった。細かで神経質そうではあるが、「壊れた」部分は無いというか。こうした点は実際にこの日作品に触れるまでは思ってみたこともなかったことで、その印象の転換は個人的になかなか驚きであった。
有名なグニャリと溶けた時計や炎上する麒麟など、潜在意識を具視化すべく描き出されたオブジェクトは、はっきり言って私なんかとはリンクする微小点すら無い(そもそも、"潜在光景を描き出す"という時点で意味が分からん。。。)ので、なーんにもそこから具体の感情は喚起されることは無いのだが、そうした絵画においてもごく単純に、その構図の迫力や、構成の巧みさ、色遣いの美しさといったものだけで、いとも容易く観る者を圧倒するものがある。油絵があんなに美しいと思ったことはこれまでに無いぐらい、油彩などはさながら宝石のように煌めいており、生で触れることの価値をヒシヒシと感じさせられたりした。
もう少し細かいことを具体に書くと、個人的にこの人の描く空の蒼色がとても好きだった。湧き立つ雲と共に黄色がかったその空は、agfaのフィルムで撮ったそれのようであり、暗澹たるようでその実深いノスタルジックな昂揚を孕んだ空気を充満させており、なんとも言えない興奮を観ていて覚えさせられた。これも、ポストカードと原画では全くその質感が異なります。
今月のエルマガの美術館特集でも取り上げられているようですが、展示会場もかなり気合いの入った造りをしており、なかなか無い充実ぶりが感じられる素晴らしい展示でした。
終わり。
モノ忘れ
2007.03.25 Sunday | category:雑記
うおーなんたる曇天!
という日曜の朝。
昨晩は久しぶりに90 day menのpandaparkを引っ張り出して聴いていましたが、やっぱり良いねーこのアルバム。ものすごく耽美な雰囲気を感じます。そうしたモロな旋律に対し、妙に調子の外れたヴォーカルが絡むのがまた良い。この2つが巧い具合にぶつかって逆に強烈な印象を残すよう。こんなもん聴いて寝たせいで、変な夢見たけど。しかしこのバンド、本体としては活動してるのかな。たしか昨年「新譜のレコーディング中」という情報を見た気がするのだが。また、日本でライブが観れる日は来るのでしょうか。
さてさて、そんなこともあって個人的に好きでありながら、全くもってフォローが出来ていないバンドについていくつか現在の動向を探っておったりしたのですが、結構活動が止まってる人たちが多いのね、、、ということが分かり意気消沈。そんな中で見つけたThe Fall Of Troyの新譜情報。3rdアルバム"MANIPULATOR"が、5月1日にリリース予定だそう。楽しみだなー。。
という日曜の朝。
昨晩は久しぶりに90 day menのpandaparkを引っ張り出して聴いていましたが、やっぱり良いねーこのアルバム。ものすごく耽美な雰囲気を感じます。そうしたモロな旋律に対し、妙に調子の外れたヴォーカルが絡むのがまた良い。この2つが巧い具合にぶつかって逆に強烈な印象を残すよう。こんなもん聴いて寝たせいで、変な夢見たけど。しかしこのバンド、本体としては活動してるのかな。たしか昨年「新譜のレコーディング中」という情報を見た気がするのだが。また、日本でライブが観れる日は来るのでしょうか。
さてさて、そんなこともあって個人的に好きでありながら、全くもってフォローが出来ていないバンドについていくつか現在の動向を探っておったりしたのですが、結構活動が止まってる人たちが多いのね、、、ということが分かり意気消沈。そんな中で見つけたThe Fall Of Troyの新譜情報。3rdアルバム"MANIPULATOR"が、5月1日にリリース予定だそう。楽しみだなー。。
松ヶ根乱射事件@京都シネマ
2007.03.18 Sunday | category:映画
■監督
山下敦弘
■出演
新井浩文/山中崇/川越美和/木村祐一/三浦友和/キムラ緑子
めちゃくちゃ面白かった。ストーリー等は公式の予告編を見てもらえば済むとして、ここでは感じたことをなるべく簡潔に。出来るだけ簡潔に。手短に。ちょちょいと。あらよっと。
・・・
これは実際にあった出来事を脚色して云々と冒頭で流れるのだが、ホントのところはよく分からない。そもそもこの監督、個人的には昨年の短編映画祭で初めてその作品に触れ、ある意味で(リンク先を読んでもらえば分かると思うが)リベンジとなる今日の新作であったのだが、最後まで耐えられるかしら?という一抹の不安を一蹴するような、かなりエキサイティングな凄い作品だった。
おそらく一般的には最も有名な前作の『リンダ・リンダ・リンダ』、これすら私は見ていないのでその作品全般について語るのはオカシイのかもしれないが、この山下淳弘という監督は、閉塞した空間におけるストレス(たる人間模様)を描くのが異常に巧い。この作品においても、ド田舎の小さなコミュニティという逃げ場の無い空間を舞台に、あーやだなー見たくないなー触れたくないなーというような、ストレスフルな情景が度重なるように映し出される。
閉じた空間というのはそれだけで十分にしんどいと思うのだが、この監督の作品には、その逃げ場の無い空間に、さらに"異常な"人間が投入されてくるからまたエゲツナイ。言うところの"壊れた人間"なのであるが、出来うるなら目を逸らしてわたしゃ何にも見えませんでしたよ的な態度でやり過ごしてしまいたいような人間が、どんどんどんどんと画面を通して迫ってくる。例えば電車の車内にてたまに遭遇するような、奇声を発しながら車内をグルグルと徘徊するような人物、こういう場面に出くわしてしまったらあなたはどうしますか?私はとにかく寝たフリをしてやり過ごす。で、それで事は済むのであるが、この監督の作品においてはそれが許されない。必ずソレに対峙することを強要される。だから、ほとんど『圧力』と言えるような強烈な『緊張感』が画面を通して終止放たれていく。
監督自身、何かのインタビューで、「僕は日常の中にある種の異物たる人物を投入して、その干渉によって周りがどんどんとかき回されていく様を描くのが好きだ」というようなことを言っていたが、今作でもいくつかの"異物"が投入され、それがちょっとしたきっかけとなって、ただでさえ『痛い』空間が、その『いたたまれなさ』を加速度的に上昇させていく。
じゃあ一体、そんな"耳も目もギューっと塞いでワーーーー!!!って叫びながら逃げ出して自分だけの空間に閉じこもってしまいたくなるような"居心地の悪い空間やら、心理的に強烈な圧迫を加えてくる"壊れた人"の様態を見せつけられて何が楽しいのか!?って話になるのだが、ある種のいたたまれない場の空気というのは、ほんのちょっとしたツイストが入るだけでこの上ない笑いに繋がるものであり、また壊れてしまった人というのも、そのヤバサ表出の度合いによってはこれまた"笑える描写"へと繋がるのであって、今作においてはその辺のバランス感覚がまさに絶妙で、もう画面から一瞬も眼が離せないわってな感じの磁場として働いていた。だから刺激的であり、面白いんだな。
ちなみに↑に書いた私が初めて見たこの監督の作品というのは、その圧迫感に全く隙間が無く、終止に渡ってグングンに頭を上から押さえつけるようなストレスを強いるものであったので、半ば吐きそうになりながら我慢して観ていたのであるが、今作においては一転、そのさじ加減が絶妙で、まさしく弛緩の対義語的な意味での緊張感が非常に良い塩梅で効いていた。
そのバランス感覚の話についてもうちょい書くと、間違いなくいつかの何処かでの史実に基づいているだろう本編ラストの数分間だけが、他と比して異常にキャッチーに(というかコミカルに)描かれていたことも含め、この作品では肝であるストレス原因物質がもたらす作用に対して、うまーく逃げ場を設けているので、それが興奮を促す刺激としてだけ働き、全くしんどい感じを思わせないところが凄くよかった。こんな世界を撮る監督って、私は他には知らん。個人的には絶賛したい作品。すごい監督だと思います。興味ある人は是非どうぞ。ちなみに劇中のBGMは虎舞竜やclass、堀内孝雄など。これもまた変な空気を醸してました。エンディングはボアダムスの楽曲でガッチリ。
公式サイト
■みんぱくゼミナール■第347回 カメラが見つめた聖地・巡礼
2007.03.17 Saturday | category:アート
間違って咲いた春の花が一瞬で散ってしまいそうな、さむーい土曜日。
今日は先月から楽しみにしていた上記のゼミナールを受講しに
大阪万博記念公園の国立民族学博物館へ行って来た。
13時過ぎに着くと驚いたことに、講堂の前に人の列が!!!
これまで行ったゼミってどれも空いてるわ〜って感じだったので
ちょっとビックリ。
みんぱくはちょうど30周年記念特別展として
『聖地★巡礼』というかなり大掛かりな展示をやっているので
天気も良いし、この展示を見た人がついでに講義のほうにも寄って行った、
って感じなのだろうか。とりあえず入れて良かった。
講義の内容はどんなものかというと、フランス人/ミッシェル・ラヴェドリン氏が、仏ルピュイからスペイン北西部のサンチャゴ・デ・コンポステラ(エルサレム、ローマと並ぶカトリックの三大聖地)へ巡礼へと向かう2ヶ月余りの道程を追った映像を中心とするもの。映像の製作/編集を行った講師の大森康宏教授は、映像人類学という分野の第1人者であるそうだ。
50分余りの映像中で、ラヴェドリン氏は同じく巡礼路を行く様々な人に「なぜ巡礼を行うのか?」という質問を行う。それに対する答えは十人十色で、宗教的な理由によるものからスポーツ感覚で行うものまで、本当に様々。ラヴェドリン氏自身も言っていたように、これを言葉で表すのはなかなかに難しいのだそう。なんとなくしか分からないが、映像を見ている間、『可能性』という単語が何度か頭に浮かんだ。巡礼を行うことで何か変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれない。しかしそこには何かこれまでの人生には無かったモノが立ち現れる"可能性"というものが間違いなくある。それは巡礼という行為によらず何にでも言えるのだろうけれど、『巡礼路』という"道"があることは、そうした可能性へアプローチしうるとっかかりとなりやすいのかもしれない。現に私自身も少なからず、今日の映像を見て(極めて安易だが)巡礼路を歩くということに魅力を感じていたし。
ちなみにラヴェドリン氏は元軍人ということもあり、67歳という年齢にも関わらず、どっしりとした安定感、瞬発力のある身のこなしをする男性で、チャーミングなところもありとても素敵であった。今日はこの会場にも来ており、先の教授と簡単な対談?のようなものも行っていた。なんだか通訳の人が大変そうだったが。ちなみに27日にはこれと全く同じ巡礼路を辿る人々の姿を描いたフランス映画『サン・ジャックへの道』の試写会があります。が、たぶん今日の人出からすると、応募しても当たらない可能性大。興味のある人は送ってみてもいいかも。ちなみにこの映画は、31日からシネ・リーブル梅田でも公開されます。
ゼミナールとは何の関係もないが、万博公園内のトイレにて
オカシナ張り紙があって面白かったので撮ってしまった。。
トイレという空間にあるためか、なんか変・・・
さてさて、聖地と聞くとなぜか浮かぶのがインド。
で、無性にカレーが食べたくなり(・・・)、
インドではないがタイ料理店でカレーを食べよう!
とあいなった。
最初に向かった『ラチャスキタイ』は、満席にて撃沈。
お店の方が親切にも近くのタイ料理店を教えてくれ
1ドリンク無料にしてもらうように電話までしてくれたので
教えてもらった道を寒い寒い言いながら、そのお店へ向かう。
着いたのは西天満にある『ローイカトンタイ』
パックプンファイデン 空芯菜炒め
おいしいよ!とオススメしてくれたので注文。
ウマイ。
トーマンプラー
噛み締める系の食感が旨い旨い。
グリーンカレー
からーい!うまーい!な定番の味
パチャラメトー まながつおのチリソースがけ
カラっと揚げられたまながつおと、ピリっと辛いソース。
おいしー。
全般的に、宮廷料理系のリッチな感じではなく
屋台の勢いを感じさせる庶民的な味のお店。
どれも凄く美味しかった!タイ人のママも良い人だし。
ちょい場所は離れてますが、また行ってみたいお店です。
今日は先月から楽しみにしていた上記のゼミナールを受講しに
大阪万博記念公園の国立民族学博物館へ行って来た。
13時過ぎに着くと驚いたことに、講堂の前に人の列が!!!
これまで行ったゼミってどれも空いてるわ〜って感じだったので
ちょっとビックリ。
みんぱくはちょうど30周年記念特別展として
『聖地★巡礼』というかなり大掛かりな展示をやっているので
天気も良いし、この展示を見た人がついでに講義のほうにも寄って行った、
って感じなのだろうか。とりあえず入れて良かった。
講義の内容はどんなものかというと、フランス人/ミッシェル・ラヴェドリン氏が、仏ルピュイからスペイン北西部のサンチャゴ・デ・コンポステラ(エルサレム、ローマと並ぶカトリックの三大聖地)へ巡礼へと向かう2ヶ月余りの道程を追った映像を中心とするもの。映像の製作/編集を行った講師の大森康宏教授は、映像人類学という分野の第1人者であるそうだ。
50分余りの映像中で、ラヴェドリン氏は同じく巡礼路を行く様々な人に「なぜ巡礼を行うのか?」という質問を行う。それに対する答えは十人十色で、宗教的な理由によるものからスポーツ感覚で行うものまで、本当に様々。ラヴェドリン氏自身も言っていたように、これを言葉で表すのはなかなかに難しいのだそう。なんとなくしか分からないが、映像を見ている間、『可能性』という単語が何度か頭に浮かんだ。巡礼を行うことで何か変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれない。しかしそこには何かこれまでの人生には無かったモノが立ち現れる"可能性"というものが間違いなくある。それは巡礼という行為によらず何にでも言えるのだろうけれど、『巡礼路』という"道"があることは、そうした可能性へアプローチしうるとっかかりとなりやすいのかもしれない。現に私自身も少なからず、今日の映像を見て(極めて安易だが)巡礼路を歩くということに魅力を感じていたし。
ちなみにラヴェドリン氏は元軍人ということもあり、67歳という年齢にも関わらず、どっしりとした安定感、瞬発力のある身のこなしをする男性で、チャーミングなところもありとても素敵であった。今日はこの会場にも来ており、先の教授と簡単な対談?のようなものも行っていた。なんだか通訳の人が大変そうだったが。ちなみに27日にはこれと全く同じ巡礼路を辿る人々の姿を描いたフランス映画『サン・ジャックへの道』の試写会があります。が、たぶん今日の人出からすると、応募しても当たらない可能性大。興味のある人は送ってみてもいいかも。ちなみにこの映画は、31日からシネ・リーブル梅田でも公開されます。
ゼミナールとは何の関係もないが、万博公園内のトイレにて
オカシナ張り紙があって面白かったので撮ってしまった。。
トイレという空間にあるためか、なんか変・・・
さてさて、聖地と聞くとなぜか浮かぶのがインド。
で、無性にカレーが食べたくなり(・・・)、
インドではないがタイ料理店でカレーを食べよう!
とあいなった。
最初に向かった『ラチャスキタイ』は、満席にて撃沈。
お店の方が親切にも近くのタイ料理店を教えてくれ
1ドリンク無料にしてもらうように電話までしてくれたので
教えてもらった道を寒い寒い言いながら、そのお店へ向かう。
着いたのは西天満にある『ローイカトンタイ』
パックプンファイデン 空芯菜炒め
おいしいよ!とオススメしてくれたので注文。
ウマイ。
トーマンプラー
噛み締める系の食感が旨い旨い。
グリーンカレー
からーい!うまーい!な定番の味
パチャラメトー まながつおのチリソースがけ
カラっと揚げられたまながつおと、ピリっと辛いソース。
おいしー。
全般的に、宮廷料理系のリッチな感じではなく
屋台の勢いを感じさせる庶民的な味のお店。
どれも凄く美味しかった!タイ人のママも良い人だし。
ちょい場所は離れてますが、また行ってみたいお店です。
Nooooooo....
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ちーかーれーたー
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つーかーれーたー
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