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ありのままを受け入れることができる日常の尊さ

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5月13日日曜日。ロング走の翌日はバイクトレでにしたほうが身体の負担が少なく、より効果的な練習ができるっぽいことが先週分かったので、今朝も表から六甲山へ上るべく準備はしておいた。が、起きてみると今にも降り出しそうな空模様。近場を自転車で流す案もあったけど、やっぱり雨中のバイク実走はイヤだったので結局はジョグへ。蓄積疲労で脚はかなり重く、走り出して間もなく雨がポツポツ。ランだとこの時期の雨はむしろ気持ちが良いぐらいだと思いながら六甲アイランドを周回。途中からかなり本降りになってきて、またこれでiPodが水没故障するんじゃないかとヒヤヒヤしながら15kmの回復走をこなして帰宅。昨日焼いたチョコレートスコーンで朝ごパン。

 

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人気タイ料理店Mango Tree Kitchenのレシピ本を買ったので、そこから2品だけ作ってお昼ゴハン。どちらもこれまで何度か作ったことがある料理だけど、ちょっとしたポイントで仕上がりは大きく変わるんだなーとあらためて実感。タイ料理はスパイスにフレッシュなものを使うことが多いため、日本だとそれを調達するのがかなり難しくハードルが高いけど、これから暑い季節になるのでできるだけ色々作ってみたいな。

 

『パターソン』


この日観た映画。トム・クルーズが何度も何度もぶっ殺されては甦って地球外生命体の親玉へ切り込んでいく作品や、あるいは人類の未来を背負って旅立ったマシュー・マコノヒーが果てしなき時空の流れの先に娘と再会するスペクタクル巨編、洗練された英国紳士が「'Manners Maketh Man'」とかなんとか言いながらサミュエル・L・ジャクソン並びにジュリアン・ムーアが体現する「巨悪」とクールにバトルする、そんな作品も大好物だけれども、一方で本作のような基本的に「何も起こらない」日常を切り撮った風の映画にもまた違った感情によって強く惹きつけられることがままある。

 


アダム・ドライバーがバスのドライバー役だというそこだけ取るとギャグみたいな設定だけど、ジム・ジャームッシュ監督による本作は、生まれ育ったその町と同じ名前を持つパターソン(アダム・ドライバー)の1週間を静かに、しかしどこか不思議な空気感をもって映している。


寡黙で、毎朝決まった時間に起きてシリアルを食べ、彼女が作ったサンドイッチを手に職場まで歩いていってバスの運転業務をこなし、同僚の軽い愚痴を受け止めてあげながらまた歩いて自宅へ帰り、彼女が作った夕食を食べてから愛犬マーヴィン(めちゃキュートなイングリッシュ・ブルドッグ)の散歩がてら小さなBarで1杯だけビールを飲んで帰る、という毎日。多くを語ったり感情を表に出すことの少ない人のようで、その内面は少し推し量りがたいところがある感じ。毎日ちょっとした時間に詩作をノートに書きつけているところが、唯一変わったところかしらん。随所に挿し込まれる詩篇の温かな情感が、作品に決定的な空気感を与え、ストーリーの核となっている。


そんな穏やかなパターソンの日常にあって、少しスパイシーなアクセントとなっているのが一緒に住んでいる彼女のローラ。エキゾチックな面立ちでかなりクリエイティヴな性格の彼女は、家中の壁やシャワーカーテン、あるいは自分の服までペイントしてみたり、壁にはいたるところに彼女の描いた絵が飾られていて、料理も独創的なアレンジを加えて作ってみたり、、、といった具合。一見すると内省的なパターソンの日常とは馴染まないような向きもあり、映画的に見ればそんな2人の間のちょっとしたすれ違いや摩擦でもってストーリーに起伏をつけてくるのかな?という予感もさせる。


が、実際にはそんなことは起こらない。ローラは毎日きっちりと仕事をこなして帰るパターソンのことを深く信頼し尊敬していて、彼が書き留める詩篇を心から愛しその価値を認めていることが分かる。同様にパターソンも彼女の存在を何よりも大切にし、その夢をそっと後押しするかのように寄り添っていて、本当に彼女のことを深く愛しているんだなということが作品が進むごとに伝わってくる。


何も起こらない、と書いたけど、たとえばある日の運転中にはバスの電気系統が故障するトラブルに見舞われたり、いつものいきつけのBarでは、他の常連客の色恋沙汰から銃が持ち出されてちょっとした騒ぎになったりと、よくよく現実世界の基準で見ればそれだけで「普通じゃない」要素も散りばめられてはいる。が、それでもやっぱりごく一般的な映画の「エンターテイメント性」からすれば「何も起こらない」と言ってもよさそうなさざなみ程度の騒ぎに収斂している。

 

たとえばある晩、パターソンが愛犬を散歩させながらBarのほうへ向かって歩いていると、Hip Hopの重低音を響かせた「いかにも」なイカつい黒人4人組が乗った車とすれ違う。彼らはパターソンに「よぉ、いい犬だな」みたいに声をかける。「最近その種類の犬は人気だから、ワンジャックされないように気をつけな」みたいなことも。かたや映画"John Wick"では、アホなマフィアに目をつけられたばっかりに、寝込みを襲われ愛車を奪われ、命よりも大切に思っていた愛犬を惨殺されたキアヌ・リーヴスがブチ切れてたった一人で組織にかち込みをかけるというストーリーに発展するわけだけど、この"パターソン"では先の黒人が別に難癖つけて絡んでくるわけでもなく、結局その後の展開において「ワンジャック」が起きることもない笑。万事がそういった感じで、これが並みの監督の作品だったとしたらとにかく襲い来る睡魔と格闘せねばならんような退屈さに繋がりそうだけど、こんなありふれた日常に潜むかけがえのない感情を完璧にとらえたジム・ジャームッシュ監督の才能は素晴らしいの一言。良い映画だった。

 

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晩ごはんは餃子。明日からの仕事を思うと気が滅入る・・・

| かっつん | 21:31 | comments(0) | - | pookmark |
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