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ベルギー奇想の系譜展@兵庫県立美術館


昨日観に行ってきた展示。平日に休みを取って美術館へ行くなんて何年ぶりだろう?県美自体も来るのがすごく久しぶりな感じがする。今回の企画展は、タイトルのとおり現代美術にまで脈々と息づく「幻想」「奇想」の源流を15世紀のフランドル地方にまで遡り、そこから現代に至るまでの系譜を印す構成になっている。

 


展示室を入ってすぐ、ヒエロニムス・ボス工房およびその追随者の作品が数点。↑の動画にもなっている有名な『トゥヌグダルスの幻視』。そもそもは12世紀に記された幻想譚が元になっているそうで、仮死状態に陥ったトゥヌグダルスが天国と地獄を巡るその情景を描いたもの。さほど大きくはないキャンバスに"みっしりと"描き込まれた異形のものたち。現代に生きる自分たちからすれば、そうした異形の群れは見様によってはユーモラスにも映るんだけど、当時の人々がこの絵から受けた衝撃や恐怖はいかほどだったろうか?と想像するもの面白い。あるいは、単純な恐怖や戒めというよりは「怖いもの見たさ」とでも言うべく、いつの時代にも変わらない好奇心こそが勝っていたのかしらん。


続いてブリューゲルの『七つの大罪』『七つの徳目』シリーズが並ぶ。実はこれまで、ブリューゲルについては農村の風景やそこに生きる人々の暮らしを描いた画家という印象が、こうした幻想怪奇な作品を多数残しているということを知らなかった。(スペインのプラド美術館で有名な『死の勝利』を観ていたようだけど、あまり覚えていない。。)精密かつ、圧倒的な物量で埋められた異形の世界は、モチーフこそ先ほどのボスからの引用を多々含みつつも、随所で大小さまざまな物語性に通じるうねりや狂気の熱を伝えてくる。後で奥さんが調べたところ、7月からは大阪の国立国際美術館でこのブリューゲルの作品を主とした『バベルの塔』展が巡回してくるみたい。こちらは特設サイトを見るだに非常に楽しそうなので、どこかの平日でまた観に行きたいと思っている。

 

会場の展示はさらに18世紀〜20世紀にかけてのベルギー美術へ。 フェリシアン・ロップスの作品からは、個人的な好みは別として、尋常でない技量とそれによって浮かび上がる冷涼な闇の質感に、時代を超えた鮮烈さや暴力的な昂揚感を覚えた。一方で、何か技術以前のプリミティブな衝動を感じさせるジェームズ・アンソールの作品には、かつて観た『アール・ブリュット』に通じるインパクトがあり、何がどう好きなのかうまく表現できないけれどなんか好き、気になるという感想。


第3展示室にはいわゆるシュルレアリスムの画家から現代美術まで。ルネ・マグリットの作品などは、10年前の自分にはあまり興味が湧く対象ではなかったものの、今見るとそのキャッチーなポップさにワクワクする昂揚を覚える。

 


そして最後に会場出口付近に置かれたトマス・ルルイ『生き残るには脳が足りない』に添えられた解説"傍から見れば十分なのに、まだ足りないまだ足りないと求め続けた結果、疲弊して自滅する人を表現している"というのを読んで、思わず「・・・(絶句)」とわが身を省みつつ会場を後にした。質量ともにとてもバランスの良い企画展でとても楽しい時間だった。繰り返しになるけど、来月からの『バベルの塔』展が楽しみ♪

| かっつん | 20:56 | comments(0) | - | pookmark |
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