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ANDREAS GURSKY展@国立国際美術館


今さら、ではあるが。かつてトルコにまでその個展を観に行くことを検討したぐらい個人的に大好きな写真家/Andreas Gurskyの国内初となる個展。などとエラそうに書いてはみたが、もともとこの個展の開催を知ったのは、とあるイケメン氏がその手に(?)カミオカンデのチケットを握っているサマをblogにUPしているのを見たからである。その東京での展示終了から待つこと4か月と少し、ようやくここ大阪で開催された。

ANDREAS GURSKYは1980年代から活動するドイツの写真家。Bernd & Hella Becherに師事したいわゆる「ベッヒャー派」の一人。今回の個展では最初期のものから直近に至るまで、グルスキー自身が選んだ作品約50点が出展されているのだが、面白いなと思ったのは、あえて制作年代や同様の構図を外すかのようにバラバラに並べられた作品群が、逆に作品相互の無意識の関連付けを見る側に促すように働いていたことで、その感覚のうねりが通奏低音となったのか、広い会場全体に大きな一体感があった。


Tokyo, Stock Exchange:1990

Chicago, Board of Trade :1999

Hong Kong, Shanghai Bank:1994

Bonn, Parliament:1998

99 Cent:1999

俯瞰することで初めて視える世界の「枠組み」とランダムに配された「細部」が感覚を刺激する90年代の作品はやはり面白い。見るほどに「フィクション」であるような感覚が強まってくる現実の景色。全体の完璧な構図がまず眼に飛び込むが、しかし画の主役はまだ細部にあるようにも見える。


Rhine :1999

Toys"R"us:1999

あるいは同時期の作品でも、人の気配の消えた画面からは、ミニマリズムの極地ともいえる美が鮮烈な印象を刻む。


Paris, Montparnasse:1993

Pyongyang :2007

Kamiokande:2007

そしてまた、隅々にまで完璧にピントのあった超広角写真は、ときおり構造やパターンの美しさうんぬんといった形容を超えて「私がいま視ているものはなんなのか?」という強烈な感覚で観る者の感覚を揺さぶりもする。


Cathedral :2007
7
Frankfurt:2007

F1 Pit Stop :2007

画面にドラマティックなコントラストが加わった写真からは、たった一枚でまるで映画のハイライトのような強い物語性が伝わってくる。



チャオプラヤ河の波紋に揺らめく街の明かりを切り取った近作の"Bangkok"シリーズなどは、遠目にはそれこそ油彩で描かれた抽象画のように映りつつ、寄って見ればその水面には数多の廃棄物が浮かび、漂っている。グルスキーの完璧な構図に収められたパターンとシルエットはそもそもが抽象画のようでもあったが、90年代と比べて「全体」と「細部」が逆転しているようにも見える作風の変遷が面白いなと思った。


Antarctic:2010

Bahrain :2005

見る人によってその感覚は異なるのだろうが、個人的には会場出口付近に並べられた北極を捉えた衛星写真と、超人工的なモノであるはずのバーレーンのサーキット写真が、なぜかひどく同種のものであるように見えてしまうその感覚が実に不思議で面白かった。どの作品も写真集では何度となく見たことがあるものばかりであったが、やはり超大判が一同に会するこの迫力は比べ物にならない。5月までと長めの展示期間がとられているので、春になったらもう一度観に行きたいと思う。

| かっつん | 21:00 | comments(0) | - | pookmark |
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