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津原泰水/爛漫たる爛漫:クロニクル・アラウンド・ザ・クロック


巻末あとがきによれば、執筆時で既に第3部まで構想が出来ていたのだという。つまりは本作だけで、物語は完結しない。

自身もロックバンド/ラヂオ・デパートのギタリストである津原氏だが(そもそも作家を本業だとは思っていない!?)、津原泰水名義の著作に、俗にいう「音楽モノ」は少ない。というか「ブラバン」ぐらいか。チャイコフスキー(『ペニス』)やモーツァルト(『バレエ・メカニック』)などが象徴的に配された作品はあったが、ロックという意味では初期作『妖都』であるロックバンドを取り巻く怪死が描かれていたぐらいしか記憶にない。その『妖都』はどこか性的でグロテスクな幻想ホラーの趣が強い作品だったが、本作では『ルピナス』のような(少し屈曲した)聡明を感じさせるミステリ調が香る。

どこか丸谷才一『持ち重りする薔薇の花』とクロスして見えるのは、やはり"ロックバンド"という媒介のためか。人気バンドのボーカルの死を巡って開かれたブラックホール。しかし本作ではまだ、一癖もニ癖もある人物らの紹介と(なにせ名前からして、音楽ライターの向田むらさきに、その娘/くれないである。クリムゾンにパープル)得体のしれない背景がわずかに匂わされたのみなのだ。ここからどう、転ぶのか。以降に期待。


『綺譚集』の感想は→コチラ
『ブラバン』の感想は→コチラ
『ピカルディの薔薇』の感想は→コチラ
『ルピナス探偵団の当惑』の感想は→コチラ
『たまさか人形堂物語』の感想は→コチラ
『瑠璃玉の耳輪』の感想は→コチラ
『少年トレチア』の感想は→コチラ

| かっつん | 23:09 | comments(0) | - | pookmark |
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