あくまで各種文学賞を作家サイドから見ても(もちろん一般大衆の感覚としても)「名誉」だと捉えるなら、という前提はあるけれど、その作品クオリティの高さに反して、一般的にはまったくそれに見合った評価や知名度が伴っていないと感じる作家が津原さん。もちろん、まったく無冠というわけではないのだが、その独創性と筆力、そこから生み出される物語のエンターテイメント性からすればもっとメジャーな文学賞を獲っていてもおかしくないのにな、と思う。まぁ、この辺は大ファンとしての贔屓目なのかもしれないし、これだけ単行本と文庫本で出版社が異なる作家も珍しい(?)し、色々と難しいところのある人なのかもしれないが。
そんな津原さんだが、昨年リリースされた2作はいずれも、その筆力をより一般的にウケやすそうな設定・物語に傾けてきた印象のある内容だった。2作を比べて見れば、先に読んだ『エスカルゴ兄弟』のほうが、自分が料理にハマっていることもあって好みだったが、読後少し間が空いてしまったため、また再読した際にでも感想は書いてみたい。
とういわけでようやくこのヒッキーヒッキーシェイクの感想に入る←前置きが長すぎる。超カンタンな粗筋を書けば、ヒキコモリの訪問カウンセリング業みたいなことをやっている竺原という男が、受け持つヒッキー達を束ねてあるプロジェクトを進行させようとする、というお話。それぞれに特異な才能をもったヒッキーとは言え、それほどエキセントリックなわけでもなく、当初設定から予想したような強いインパクトはなく。中盤にかけて竺原がやろうとしていること、その背景が分かってくる辺りで津原泰水の真骨頂とも言えるゾクっとくるような感覚が一瞬あったんだけど、いざ明るみに出てきたそれが思っていたほど奇異でなく、以降はいまひとつ盛り上がりに欠けるまま終焉を迎えた、という感じ。ただ、やはり津原さんの書く人物たちが持つ繊細なやさしさ(時には気難しさ)によってか、↑に書いたような物足りなささえも柔らかな余韻の心地よさに感じられるのはさすが。
今年に入ってデジタル一眼やイヤホンを新調したりと、珍しくガジェット系の出費が続いているが(器や調理道具は別モノととして粛々と増加中(ー_ー)!!)、最近になって物欲が向かっているのがエスプレッソマシーン。blogに珈琲/エスプレッソのカテゴリがあるように、何年か前にラテアートにハマっていた時期があった。最近、数年ぶりにその当時の機械TH010を起動してみたのだが、長らく放置していたせいでどこかがおかしくなってしまったようで、駆動はするものの抽出ができなくなっていた。この機械、1万円未満で購入できるものの、ボイラー騙しなどいくつかの裏技を組み合わせるとラテアートをするのに必要十分なエスプレッソの抽出、ミルクのスチーミングが可能である。ただし、エスプレッソの抽出についてはあくまで「ラテアートが可能なクレマが出る」というレベルで、そのまま飲んで美味しいか?というと、ちょっとビミョーなレベルであった(自分の腕が未熟だということもあるが)。ちなみにこの機種や、その後継機としてリリースされたTHW020は既に廃版になっている。
最近の市場で同スペックのマシーンを探すとDelonghiのECO31あたりになるみたいだけど、正直、25,000円前後を出して買いたいと思うようなマシンではない。家庭用のエスプレッソマシンでこの一つ上の性能が欲しいとなると、価格帯は10万円前後になる。有名なのがRancilio SilviaやIsomac Venus、ascaso dreamといったあたり。その上の価格帯となると、セミコマーシャルマシンになってきて、国内価格だとだいたい20万円前後。自転車脳によりこの辺りの価格がそれほど高いと感じない程度には麻痺しているので、どうせ買うならセミコマが良いよね、と思ってしまう自分であるが、セミコマ=ボイラー容量が大きい=安定抽出が可能=立ち上がりに時間がかかる、という最後の点がネックか。自宅で一杯のエスプレッソを飲むためだけに、起動後20分(場合によっては1時間とか)待たないといけない、、、というのはちょっと現実的でないなーと。加えて、高いマシンだから美味しいエスプレッソが抽出できるわけではなく、中身の部品はそれほど変わらないという話もある。要は豆の鮮度や品質、グラインダーの性能、タンピングを含む操作者の技術に拠るところが大きいという話。あと自分は文系なので分解清掃とか電気系統に絡む話になるとまったくよく分からんというのもあって、高価なマシーンをきちんと手入れして使いこなしていく自信はない。とりあえずこういうのって調べてる時が一番楽しいので、あんまりそういう時間も取れないけどネットで色々と情報を漁ってみようと思う。と言いつつ今月中には買ってそうな勢いであることを報告して終わります。
昨晩風呂に入った後から身体がズーンと重くなり、非常にヘヴィな倦怠感。だいぶ疲れているらしい。ベッドに横になり己が心臓の鼓動を聞いていると、もしかしたら今日眠っている間にこのまま心臓が止まってもう二度と目が覚めることがないかもしれないな、だとすると色々なところに分散している貯金とか投資とかそれに関わる暗証番号なんかが誰にもわからなくなるな、困ったな、常日頃から終活的なことをきちんとしておくべきだった、、、というようなことを一抹の恐怖の感情に囚われながら考えていて、寝た。しかしいつもと同じようにまた次の日の朝が来た。正確には夜中に2回、トイレに起きていたのだが。。雨がザザ降り。予定通り今日はレスト。昼の弁当用にししゃもを焼いたり蒸し鶏とキャベツのサラダを作ったり。倦怠感はいくらかマシになったが、立ち眩みがけっこう酷い。慢性疲労には気を付けないと。
CHEMEX 6CUP
先週の水曜日、不注意によって2年間愛用していたCHEMEXのコーヒーサーバーを割ってしまった。これが無いと家で珈琲が飲めなくなるので、1時間後には即注文。しかし「在庫商品」になってるのにも関わらず、発送が3日後だったという。このお店はもう二度と使わないだろう。
というわけで届いたCHEMEXの6CUP用。昔から色々と試してみた結果、うちではこのCHEMEX+金属フィルターというのが、ドリップを飲む際の組み合わせとしてはベストだと思っている。
美しく、機能的
今月の珈琲はブラジル、グァテマラ、コスタリカの3種。
最近は月600〜800gのペースで豆を消費している。平日に職場で飲むコーヒーはまた別だから結構な消費量。
エスプレッソやラテは家ではほとんど作らなくなった。エスプレッソといえば予算30万ほどでセミコマのマシーン+グラインダーの欲しい組み合わせはあるものの、文系なワタクシにははたしてイタリアンメイドな110V電圧のマシーンを、日本で変圧器かませて(あるいは噛まさずに)使用しても性能的に(そして安全面も)問題ないのか?というところで引っかかってしまい、購入に踏み切れず。なもんで将来家建てるときに、この辺はあわせて検討したいな、と漠然と考えている。
今月の珈琲は久々のグァテマラ。久々だったけどやっぱりグァテマラ、って感じで美味い。赤ワインのフレーバー、口に含むと甘みとコクが広がって、でも後味は不思議と軽やか。ドン・アントニオ農園の豆でした。
さておき、数日前からハマっている彼女の音楽。来るデビュー・フルからのこの楽曲みたいなキラーチューンもあるわけだけど
気だるい疾走感。歪んだギターノイズ。60年代のサイケ、フォーク、カントリーな空気を背景に、でもグランジ、なんだよね、音が、印象が。のびやかに咆哮するファズギター、と同時に憑かれたように畳み掛けられるキレまくった言葉の数々。最近なかなか「これは!」という音とめぐり合わないんだけど、とりあえず既に発売されていたEPは即効で注文した。来月のアルバムが楽しみだね。
Summer Time Coffee from Able Brewing Equipment on Vimeo.
晩ごはんはドライトマトを使ったオイルパスタと鳥もも肉に岩塩をまぶして焼いたやつ。明日のガチイチに備えてアルコールはオフ。
コストパフォーマンスが高過ぎて、すっかりファンになってしまったこちらのお店。今回はブラジル"キャラメラード(サンタカタリーナ農園)"とエチオピア・イルガチェフェG1"ベレカ"を200gずつお願いした。
ブラジルは、キャラメラード(キャラメル+メラード=はちみつ)という名前の印象から、甘み・コクともにかなり強いのかな?と思ったのだけども、焙煎当日に飲んだ分には、透明度が高く明るい印象。酸はほとんど感じない。日にちの経過とともにどんな風にキャラクターが変わっていくのか、楽しみ。
イルガチェフェのほうは焙煎から3,4日は置いたほうがいいと聞いたので、その辺りから。口に含む直前に膨らむマスカットのような果実香。意外と量感のあるボディだけど、苦味は強くないので飲みやすい。っていうかマジで美味いのだが。個人的には湯温は高めのほうが好みの味になる。お店の人によるとこの"ベレカ"はG1の中でも特に品質の高いものらしく、確かにこの透明感と密度のある酸のバランスはたまらんなぁという感じ。これで100g500円を切っているのだから、この店のコストパフォーマンスの高さには驚くしかない。
前回、とりあえず頼んでみたブレンドが思いのほか美味くてビックリした「QUEEQUEG COFFEE」に再び行ってきた。60種類以上もある豆の中から、どれにしようか悩むのはなんとも楽しい。一つは今月のオススメにもなっていたインドネシアのバリ・アラビカ"神山ハニー"を。焙煎したてのこいつをさっそくその日に飲んでみた。ナッツ系と言われる香りだけど、これがかなり独特の咆哮。森の木をイメージするのは自分だけ?ハニーという名がつくだけ、まったり重いのかな?と思うが、口に入れた瞬間は確かにその手の重さがあるように感じるのだが、実際の後味はかなりサッパリとしており、酸味はほとんどない。やはり当初の独特の香りがいつまでも深く印象的で、とても不思議な感じがする。嬉しくなるぐらいに、美味い。2日目以降はキャラクターが変わってくるので、たぶん今度は"ハニー"なじんわりとした甘みが増してくるんじゃなかろうか?と楽しみにしている。そしてもう一種類買った"イエメン・モカ"にも期待大。ほんと、KONEの金属フィルターを買ってから、豆のキャラクターがそれぞれ歴然として立ち上がってくるので、珈琲が本当に楽しい。このフィルターは超絶オススメ。
最近教えてもらった珈琲店で豆を買ってみた。週末の六甲ヒルクライムの際にほぼ毎回その前を通過していた幹線沿いの店。外見は昔からある喫茶店の雰囲気で、豆を売っているとは知らなかった。日曜日の夕方、三宮からママチャリで乗りつけ汗だくで入店したワタクシは、店内でコーヒーを楽しむお客さんたちの冷たい視線に出迎えられた次第だが、めげずに「こ、こっ、コーヒーの豆だけ買いに来たんですけどもっ!」と絶叫。しかし凄い!スペシャリティー・コーヒーを含めかなりの種類がある。あとでもらったリストを見ると、その数なんと60種類超!価格もかなり良心的。注文を受けてから焙煎するシステムだそうで、だいたい7〜8分かかるそう。この日は早く帰りたかったので、午前中に焙煎済の「大倉山ブレンド(350円/100g)」を200gだけ買って帰った。さっそく晩に飲んでみたところ、香ばしい苦味、ごくわずかな明るい酸、ローストアーモンドのような後味の甘みを感じるオーソドックスだけどバランスの良い香味だった。飲みやすく、適度な飲み応えもあって美味しい。リストを眺めながら、今度はどれを買いに行こうか考え中。良い店と出会ったかもしれない。
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