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デューン 砂の惑星 part2

3月25日月曜日。有給取得で休暇。が、今朝もまた雨が降っている。10分ほどレーダーと睨めっこして、気持ちが萎えていったんベッドへ戻ったのだが、そのまま眠れそうにないためやっぱり起き出して走ることに。

 


今朝もシューズは汚れてもOKなHOKA RINCON3の古いやつで。昨日よりはマシだけど、身体の動きはイマイチ。小糠雨のような降り方で、走り出してしまえば雨は気にならなかった。空模様を見ながら六甲アイランド方面へ。いつもとは違ったイレギュラーなコース取りで15km。路面状況が良くなかったのもあるけど、今日もペースのわりにはキツく感じられた。


雨が止みそうで止まない鬱陶しい天気で、何かと心配事も多いため気分も塞ぎ気味。もともと映画を観に行く予定だったのもめんどくさくなってやめかけたけど、なんとか盛り返して外出。

 


遅ればせながら『デューン 砂の惑星part2』を鑑賞。座席の埋まり具合は2割程度だろうか。今日に限ったことではないが、こんな客入りで興行的に大丈夫なんだろうか?と少し心配になる(ちなみに興行収入の損益分岐点はすでにクリアしているとのこと)。チケットを買う際に他にいたお客さんの大多数は『ハイキュー』を観に来ているっぽかった。

 


さてデューン。結論としては大満足。十二分に壮大だったpart1ですら前振りに思えてしまうほど、圧倒的な物量で押し切ってくる展開の高揚感が半端ない。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』では地球外生命体の駆る宇宙船の造形に痺れたが、本作ではそんな宇宙船だけでなく、無数の兵器や巨石じみた重機、宗教的な陶酔感を極限まで高ぶらせるような巨大建造物が次から次へとスクリーンを埋める。


同監督作の『ブレードランナー2049』などは、個人的にはなんかピカピカし過ぎて没入できない感があったのだが、今作はたとえば現実世界での廃墟や遺跡など、地続きに人の痕跡を感じさせながらも圧倒的に巨大なスケールを誇るモノたちに相対しているようなリアルな興奮が感じられ、この手のモノが好きならばずーっとお口アングリでニタニタせずにはいられない、という感じ。

 


わりと最初のほうで、ポールがフェダイキン=砂漠の民フレメンの戦士として認められるための修行の前振りがあったのにその内容がほとんど描かれなかったり、ハルコンネン家の次男(フェイド=ラウサ)が闘技場で戦うシーンなど、その舞台設定の異様なまでの迫力に対して戦い自体は妙に地味で肩透かし気味だったり、あれ?あの人はこの後どうなったの?とよくわからない状態になった人がいたりと、細かい部分でのツッコミどころがあるにはあるのだが、正直、そんなこたぁどーでもいい、と思ってしまうほどの物量攻撃にひれ伏す3時間であった。というか、その辺の細かなところまで描くには3時間の尺では全然足りないんだろう。しかしこれは絶対映画館で鑑賞したほうがいいし、できればIMAXシアターで観たほうがいいヤツだなとも思った。興奮の度合いが全然違ってくるだろう。

 


というわけで帰宅。ちょうどお昼の時間を挟んでの鑑賞だったけど、あまりお腹は空かず。夕方に軽くローラーをするつもりがレース参加でそれなりに負荷が上がってしまった。明日は大雨予報が出ているのでまた走れなさそう。

| かっつん | 21:05 | comments(0) | - | pookmark |
ゴジラ-1.0

 

 

12月21日木曜日。5時のアラームが鳴って「あと5分だけ・・・」と二度寝したら6時10分まで寝てしまうという失態。20minだけローラーをして慌てて食事を摂って準備して仕事に行って帰宅してまたローラー45minやった・・・という一日。

 

12月22日金曜日。1日有休をとったので今朝は15km走るつもりで5時20分にアラームをセット、、、したのにまたしても起きられず、結果的に7時から35minだけローラーをするという結果に。シャワーを浴びて急いで準備をして、9時上演の『ゴジラ-1.0』を観るべく三宮へ。

 

敗戦直後の日本が舞台。予告編を見て前作『シン・ゴジラ』以上のかなり重たい雰囲気の作品を想像していたのだが、実際はかなり王道と言えるストーリーであった。最強神ゴジラが戦争でボロボロになった日本の国土と日本人を容赦なく破壊していくサマは恐怖であり、VFX技術によって描き出されるそれらのシーンは映画館の大スクリーンと音響でこそ体験すべき迫力と衝撃があった。であるがゆえに余計に、本来ストーリーの核たる部分であるべき神木隆之介演じる敷島にあまり感情移入できなかったのが残念。安藤サクラや佐々木蔵之介の演技の安定感はさすがだなと思ったし、吉岡秀隆演じる学者のハマり具合も良かった。が、どうしても敷島の感情や行動原理が自分にはすんなり入ってこなくて、その表現も間延びしてクドく感じる場面が多々あったり。浜辺美波(最初のほうは白石聖だと思って観ていた)の眉毛が敗戦直後のあらゆるものがボロボロの中でも完璧に整っているなーとか考えてしまっていたところに、作品に入りこめていない自分を客観的に感じたりもした。

 

終演後、湊川神社近くにある和菓子店『四代目松川』へ立ち寄った。11時30分過ぎだったけど、すでに豆大福や最中はすべて売り切れていた。平日のこんな寒い日でこれだから、休日にこのあたりの商品を買うなら開店どれぐらい前から並べばいいのかしらん?今日は蒸しきんつばの白と、抹茶を使った「生松」という竿物菓子を購入。2点で2,500円ほど。

 

今日はひたすら映画を観ようと、帰宅してホームシアターにてまずこちらを鑑賞。

 

続いてザック・スナイダー監督によるこちらを鑑賞。スローモーションを多用する独特のアクションシーンはスタイリッシュでやっぱりカッコイイ。来年4月にパート2が公開予定で、現時点でどれだけの長編になるのかは不明だが、構想としてはかなりの大作のようで。

 

夕方にローラー1h。そんな休日。

| かっつん | 20:53 | comments(0) | - | pookmark |
NOPE

5月25日木曜日。システム障害で何も事務処理ができないため有休を取得。朝はいつもより少し遅めの5時20分のアラームで起床。いつものように準備・補強運動をしてジョグへ。昨日と比べると脚の疲労感は減っている。無理のないペースで15kmを走って帰宅。羽虫多め。ave.4:17/kmで平均心拍は最近の中では低めの132bpm。ただ体感的にはそこまでラクな感触はなく。週末に出かける予定があるので、ある程度ランチの仕込みをしておこうと朝からスーパーへ食材の買い出しに行って、チリコンカンや塩豚と豆類の煮込みなどを作った。

 


そんなことを済ませてから観た映画。奇才ジョーダン・ピール監督による最新作。以前観た予告編がかなり面白そうだったので期待値は高め。『GET OUT』や『US』同様、この監督の作品は音にも相当な拘りがあって、これまた怖い。

 


前半のやたら真っ暗な中で何をやっているのか分かり難いシーンに対し、終盤にかけての赤茶けた大地に点在する異常にポップな色彩の配置が鮮烈で印象的。

 

登場人物が着用するヴィンテージのバンドT(JESUS LIZRD,EARTH,RATMなど)にもいちいち興味を惹かれる。一方で地球外生命体の最終形態の描写(エヴァへのオマージュらしい)は個人的にはあまり刺さらず。それよりも単純に、広大で開けた風景そのものの描写そのもののほうに不安を感じた。

 

AKIRAへのオマージュ。

 

"わたしはあなたに汚物をかけ、あなたをはずかしめ、あなたを見せものとする"

 

作品ごとに強烈な社会批判、風刺を盛り込んでくるピール監督だけど、そうした点では前二作と比べてちょっと分かり難かったような気も。この作品から感じたメッセージは意外とシンプルで「欲出してやばいのに関わると、死ぬよ?」だろうか。ちなみに作品の核として何度も登場するシット・コム系のホームドラマ『ゴーディ 家に帰る』でチンパンジーが出演者を惨殺し、最終的に射殺されるという異様に恐ろしい映像は、アメリカで実際にあった事件を元にしているのだそう。この事件をまとめた映像がYouTubeにも上がっていたが、怖すぎるので不用意に見ないほうがいいかも。

 


続いてこちらも。エア・ジョーダン誕生の過程を描いた作品。

 

役作りもあるだろうが、マット・デイモンのオッサン感がすごかった。 NIKE創設者のフィル・ナイトの自伝『SHOE DOG』はかなり面白いのでオススメ。

 


5月26日金曜日。昨日と同じ5時20分のアラームで起床。睡眠不足&疲労感は昨日よりさらに解消された感あり。adizero japan7を履いてジョグへ。手持ちの中では薄底タイプに分類されるシューズだが、適度な軽快さがあり、今朝のような短時間ジョグに投入すると良い感じ。トータル10.6km。感覚的には悪くなかったが、ave.4:21/kmとペースは上がっておらず。体感とズレがある場合、何かしら原因があるはずなので少し注意したいところ。

| かっつん | 20:57 | comments(0) | - | pookmark |
ヘルドックス

 


1月27日木曜日。有休消化で本日お休み。いちおう走ろうかと思っていたけど、路面凍結のリスクがー、言い訳をして2日連続ランオフに。今日は一日外に出ないことに決定。70minローラーして、まず1本目の映画を観る。

 


予告編は『ファブル』に寄せたかったのかもしれないが、作品の良さを殺しまくっていて残念。実際の視聴体験としては相当に緊迫感のある内容で、知らず見ているうちに肩が強張っていた。岡田准一はこの手の役回りがめちゃくちゃ多いが、まったく見飽きないどころか毎度見惚れてしまうほどに動きが美しい。もはや本職の人を超えてしまっていそうな強靭な肉体の躍動。そして↑の予告編ではモブキャラっぽく扱われているが、他の役者陣の存在感もそれぞれにかなり強烈で味があった。中でも個人的にはこれまで特に印象に残ることはなかった坂口健太郎の存在感が強烈で。サムネイルで森山未來かと思っていたが、場面場面でほとんど別人に見えるほどに表情や仕草が変わっていく。プレビューで書かれていた「イカれたサイコボーイ」という単純な役回りにはなっておらず、作品の性質を左右するまで重要なキャラクターとして成立していた。ネタバレになるので詳しくは書かないが、そんな坂口とバディを組む形でヤクザ組織に潜入する岡田の組織内での立ち回りや、課せられた使命に対してラストで取った選択(個人的にはかなり意外であった)は、だから余計にヘヴィなパンチとして強く印象に残った。ところどころで字幕を入れなければ台詞が聞き取れない箇所があったのが少し残念。

 


続けて観た映画。予告編などでは「ヒトラーが初めて敗戦を喫した戦い」という部分が強調されていたが、描かれているのはむしろ「中立の立場をとったが故に両挟みの苦難を味わった街と人々の様子」であった。先の『ヘルドックス』が信念に基づいて行動する男の話だとすれば、こちらは戦火の中で生き延びるため、大切な人を守るために裏切りともとれる行為をせねばならなかった者の姿が描かれている。


午後からは4月以降の旅行計画を立てようと、kindleで旅系雑誌を何冊か読みながら候補地を考える。奥さんが松本市在住の親友と会いたいと言っていたので、第一候補はそのあたりか。松本新聞社にもつとめていて地元のことに詳しい人なので、その友人に近隣でおすすめの温泉地や旅館などを紹介してもらえるかもしれない。

 

遠方でのレースについては、今年は6月のいわて銀河100kmウルトラマラソンか、ニセコクラシック150kmロードレースに参加したい。昨年は給水が枯渇するなど運営に関して批判が多かった美ヶ原トレイルラン(7月)にも興味があるし、昨年旅行で訪れた蔵王のお釜を走るZao Skyrun(9月)にも出てみたい。

| かっつん | 20:19 | comments(0) | - | pookmark |
有休消化でひたすら映画を観る

1月24日月曜日。年度末にかけて計画的に有休を取得。しかし特にやることもなく、このご時世なので無意味に街中へ出かけるのもあれなので、家に引き籠るスタイルで。朝ランはなしにしてローラー40min。もう少し長く乗りたかったけど、可燃ごみを出す時間の関係でここまで。納豆とみそ汁で朝食を済ませ、スコーンを焼いて珈琲を淹れてから映画鑑賞。

 


先に観た「good vibrations」の関係でオススメに上がってきたであろうドキュメンタリー作品。個人的にFUGAZIというバンドについてはアルバムを2枚持っているだけで特段の思い入れはない。が、イアン・マッケイの名前やDISCHORD(イアンが高校生の時に設立したインディ・レーベル)のアテーィストについてはもはや避けて通ることができないぐらい多く触れており、S×E(ストレートエッジ:飲酒、喫煙、違法薬物、快楽目的の性行為を戒めることを基本理念とし、それまでのロック音楽の「セックス、ドラッグ、ロックンロール」という概念に対しての反抗を意味している)思想や、ライブハウスの入店時、手のひらに×印を書いたりする文化がここから(本来の意味を失していたりするが)来ているところなど、音楽シーンに多大な影響を与えている人物/バンドなだけにこの作品もかなり興味深く観ていた。

 


ハンガリー発の作品。後で知ったけど、2017年のベルリン国際映画祭で最高賞(金熊賞)を受賞している。夢を媒介にしたラブストーリー、なんて書くと誰も見る気がなくなるかもしれないが、本作はそんなメルヘンチックな設定軸をやわらかく何層にも折り曲げ、複雑ながらもやさしい光を感じさせる物語を生み出している。自分の場合、他人に対する決めつけをもってその人との関係を遮断してしまうことが少なからずあるのだが、往々にしてそれは自らが傷つくことを恐れて殻に閉じこもる行為とも言える。相手に近寄らなければ、拒絶されて傷つくこともない代わりに、その人と通じ合う喜びも持ちえない、、、みたいなことを考えたり考えなかったり。

 

| かっつん | 20:11 | comments(0) | - | pookmark |
SEASPIRACY 偽りのサステイナブル漁業


日本では劇場スルーでNETFLIX独占配信されている作品。アリ・タブリジ監督/制作総指揮はキップ・アンデルセン。キップ・アンデルセン監督のものは以前にCOWSPIRACY(畜産業の裏側がテーマ)やWHAT IS THE HEALTH?(健康関連産業の裏側がテーマ)を同じくNETFLIX配信で視聴したが、いずれの作品も、一大産業を牛耳り莫大な利益を享受している大企業を犯罪組織ばりに描き、その裏で搾取され虐げられる労働者や消費者、、、という構図がベースになっている。そうして提示してみせた問題に対し、監督自身がカメラ片手に関係者へ突撃する、というマイケル・ムーアばりの手法で作られているわけだが、ムーア作品と比べるとやや偏向的というか主観に引っ張られ過ぎでなんか歪んでないか?という部分が多いように見える。


ある分野の裏側で行われていることを知ることはとても有用だと思うし、こうした「闇」の部分を知らないまま普段から接し、生活している物事というのはとても多いと思う。だから個人的にこういった作品は積極的に見ているし、見る必要があるとも思う。ただ気をつけないといけないのは、どんな物事でも、ある一つの見解を盲信するのではなく、それを自分の「意見」や「考え」として取り込む前に必ず別サイドからの視点や意見も検討する必要があるということ。とりわけこのキップ・アンデルセン監督の作品では、当初から作り手の主張に沿った事象や数値だけが強調して提示される傾向があり、実際にはその見解に対して様々な議論や反証が行われていたとしてもそれが取り上げられることはない。


本作でも冒頭から和歌山県太地町のイルカ(鯨)漁がセンセーショナルに取り上げられているが、これだけ見ると、その隠し撮り(風)のショッキングな映像によって、途轍もなく非人道的で残虐な犯罪行為が行われているように錯覚してしまってもおかしくないだろう。ここでこうした漁が実際に行われているのは一つの事実だとしても、例えばそれに対して和歌山県からはこのような見解が公表されており、それを読めば果たしてこうした漁を一方的に糾弾し、今すぐやめろということができるのだろうか?といったん自分の胸の中で考える時間が生まれるはず。


どうも本作ではこうしたショッキングな映像や各種の数値(世界では1時間に3万匹の鮫が殺されているとか)が、視聴者をいたずらに刺激するため用いられてるように感じられるところが多く、それらは作者の主張に対する論理的な帰結とは無関係に見えてしまう。そもそも、この監督の言う「大好きな海の生態系を守りたい」というメッセージはかなりポワンとしていて、そのポワンとした上にいろいろなモノをデコデコに積み重ねているため、どうにもその説得力が弱く見える。


たとえば本作の邦題にある「偽りのサステイナブル」という点で、欧州で一部の海産物製品に付されている「サステイナブル認証」についての実態を調査する、という部分は興味深いし、そこをもっと掘り下げてメインにすればいいと思うのだが、そこは関係期間へアポなしの取材を申し込んでみたけどまともに取り合ってもらえませんでした、終わり。みたいな浅薄さが目立つ。そして再び映像は「魚には痛覚があるのだから、野蛮に殺されるのは可哀そうだ」とかいう主張や「漁船において奴隷として使役される人々の犯罪的な実態」みたいな、やたらと煽情的な部分を切り取って放り込んでくる。最後は北欧で伝統的に行われているイルカ漁の現場へ出向き、真っ赤な血に染まった海面に浮かぶ無数のイルカの遺骸・・・という場面を持ってくるのだが、結局最終的な作者の主張としては「僕はもう魚を食べない(だろう)」という、なんというか「え?それだけっすか!?」みたいな肩透かしっぷりで幕を閉じる。

 


少し意地悪な見方ではあるが、冒頭から海洋環境の保全とか地球温暖化防止とか言ってるけど、じゃあ今回あなたとパートナーが世界各国を訪れる際に乗った大型旅客機はどれだけの二酸化炭素を排出しそれがどれだけの環境負荷をかけるか知っているのか?とか、いったいあなたは普段から肉や乳製品を一切摂取していないのかとか、そういう風に突っ込みたくなる幼稚さがこの作品には強く感じられた。ともすれば浅はかなヴィーガンのプロパガンダ映像(いちおう断わっておくけど、自分はヴィーガニズムを実践する人々は素晴らしいと思うし尊敬する)とも見え、個人的には作品に対する評価は低め。しかしながら先に挙げた一連の作品とともに見ておくことは、現代を生きる自分たちがどれほど傲慢で勝手な存在であるかを知るという意味で有用だとは思う。

| かっつん | 20:56 | comments(0) | - | pookmark |
I que es la veritat? (What is truth?)

監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影

 

いつの頃からから、ネット上では過激で極端なコメントが多く目に付くようになり、永遠に相容れることのないような人たちがお互いを激しく中傷し、あるいは特定の「敵」を徹底して攻撃するサマが日常の光景となっている。自分自身、途轍もない量の情報に日々曝されながら、何が真実で誰が正しいのかを客観的に見ることがほとんど不可能だと感じることが多くなった。この状況を「何かおかしい」と感じていながら、いったいなぜこんなことになってしまったのかハッキリと言葉にできない人は少なくないだろう。その「何か」をソーシャルメディアの観点から、まさにそのテクノロジーを創出した当事者たちの言葉から浮き彫りにしていくのがこの作品。作品内では、フェイスブックで収益化を担当するディレクターだったティム・ケンドール、「いいね」ボタンを発明したジャスティン・ローゼンスタイン、そしてYouTubeの動画を「おすすめ」するアルゴリズムを構築した人工知能(AI)専門家のギヨーム・シャスロなどが登場する。そしてこうした人々の全員が、かつての自分たちの仕事に対して否定的な見解を述べている。鑑賞後にはソーシャルメディア、ひいてはネットとの付き合い方をあらためて考えること必至な、相当の危機感をもたらす内容になっている。残念ながらというか、作品の中ではこれに対する明確な解決策は提示されない(というか誰もできない、と言うのが正しいのだろうか)。それでもこの作品を見ることで、多くの人がソーシャルメディアの本質に気づくこと、そこからスタートしていくしかないのだろう。

 

(ソーシャルメディアは)道具としてのテクノロジーから中毒と操作の技術に移行したんだ。ソーシャルメディアは道具ではない。独自の目標を持ち、それを追求する手段がある。人の心を操るんだ。

 

コンピューターの情報処理能力は1960年代と比べて1兆倍になっている。そして重要なのは、我々の脳は進化していないということ。我々の持つ脳というハードウェアは数百万年前のモノで、我々が見る画面の向こうには目的を持って動くスーパーコンピュータがある。さて、誰が勝つだろう

 

真実とは何か 真実は存在するのか

共通認識を持てないのなら終わりだよ

基礎となる問いだ

共通認識がなければ他の問題に対応できない

 

I que es la veritat? (so, what is truth?) 

この写真は10年前に訪れたサグラダファミリアの受難のファサードで撮った1枚。

| かっつん | 20:39 | comments(0) | - | pookmark |
TENET@OSシネマズミント神戸


9月23日水曜日。残っている夏季休暇を取得して、この日は大好きなクリストファー・ノーラン監督の最新作を観るため朝から三宮へ。コロナ禍により全世界的に劇場が非常に厳しい状況になっている中、人々を呼び戻す福音たるべく公開された本作。公開前から言われていたとおり、細部まで把握し理解しようとするのは非常に困難な作品。というか、一度目の鑑賞で全てを完璧に整理し理解できた人なんてほとんどいないのではなかろうか???という複雑さ。しかしその一方で、自分のように多くの部分で「???」と置いてけぼりを食らう賢くない人間であっても、スクリーン上で展開される圧倒的な画力と爆音の展開それだけでもうボルテージは120%までアガって楽しめる。というかノーラン監督の作品はもう絶対映画館で観るのがオススメなんである。


冒頭の、キエフ国立オペラハウスでのテロ組織と特殊部隊の銃撃戦のシーンとかもう、自分が銃器でぶん殴られているかのような凄まじい音響と臨場感に圧倒される。予告編にも登場する実際の旅客機を建物に突っ込ませるシーンにしても、この迫力はちょっと無いよな・・・と唖然とするほどに凄まじいスペクタクルを生んでいる。こうしたハイライトシーンだけでも十二分に満足できてしまうのだが、帰宅して映画の鑑賞時間以上をかけて様々な解説サイトを見て回り、その素晴らしい整理と解釈によって自分の頭ん中でも9割方理解できていく、その観終わった後の過程も含めて何度も楽しめた大満足の作品だった。ちなみに、本作では時間の逆行が大きなテーマとして扱われているけど、その理屈を考えるよりも、登場人物それぞれの動きと起こった出来事の時系列を整理して見るとかなり気持ち良くなれるだろう。特に↓のサイトが素晴らしく分かりやすかったので、鑑賞後に「???」となった人はぜひ一度読んでみることをオススメします。

 

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難解映画【TENET テネット】攻略-文系にもやさしい徹底解説・考察 ※ネタバレあり

 

| かっつん | 19:38 | comments(0) | - | pookmark |
つながれた世界はより良くなったのか?

8月11日日曜日。眠いが暑くなる前に終わらせたいので、5時半に起きてジョグへ。ふくらはぎに少し張りがあるけど、RINCONのクッションのおかげで先週よりも筋疲労は少ない、というかほとんど無い。しかし身体は重くてキロ4半も切れなさそう。とりあえず無理なき範囲で流すだけで17.5km走って終了。ave.4:37/kmで平均心拍は134bpmだった。

 

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朝食は大量のキャベツを放り込んだ味噌汁のみ。ランチはイベリコ豚のセクレト(カルビ)を低温調理したステーキで。カタルーニャ料理のトリンシャット風なのを作って、その上に肉を乗せ、周りにラタトゥイユをソース風に添えて。手前味噌だけど、かなり旨い。イベリコちゃんの脂はとっても甘い。

 


この2週間ほどハマって観ていたHBO作品の『シリコンバレー』。全50話ほどあったけど、最初から最後までめちゃくちゃ面白かった。IT系スタートアップやVCの生態とでも言えそうな実態をうまいことデフォルメして展開される、馬鹿馬鹿しくも非常にリアリティある熱量が充満する群像劇。基本的に善人はおらず、一般的な観点からすれば変人と異常者だらけの非常に特殊な世界。一難去ってまた一難去ってまた一難、、、という感じで普通のドラマのようにまったくすんなり落ち着かないシナリオアが秀逸過ぎる。これほどクオリティが高いドラマって初めて観た。ちなみに2019年中にファイナルシーズンが放送されるらしい。

 


そしてこちらもシリコンバレー絡みとも言えるけど、対照的に全くもって笑えない、TECHジャイアント(GAFA)全盛の現代の闇を描いたドキュメンタリー。2016年のアメリカ大統領選において、選挙結果に影響を与えかねないフェイクニュースが大量に発信されていたことは有名だけど、今作ではfacebookから得た大量のユーザーデータに基づき、実際に一つの企業(Cambridge Analytica:CA)が「プロジェクト・アラモ」と銘打ったトランプ派の選挙キャンペーン中で行っていた衝撃的な人心操作の内容が暴露されている。またCA社は、世界に衝撃を与えたBREXITに関してもLEAVEEUプロジェクトに加担していたとされており、その手法の恐るべき有効性が関係者の口から語られている。


自分はこれまでネット上でのユーザーデータの利用行為や情報流出といったものには、ある程度は仕方がないものという気持ちもあってあまり深く考えたことがなかった。もちろん、クレジットカード番号や暗証番号、電話番号といった直接的に金銭・プライヴァシーの危険が生じる情報が流出したと聞けば不安にもなるし怒るだろうけど、そうではない、例えば自分がネット上で行ったWeb閲覧や検索履歴、アンケートへの回答、あるいはこのblogやSNSで書いてきた文章などのデータは、それがどこでどう使われているかまともに考えたことが無かったと思う。が、この作品の中ではそうしたユーザーのビッグデータがあれば、行動心理学に基づいた各個人のプロファイルを作成し、ターゲティング広告やありとあらゆる情報を浴びせかけることによってその人の行動を操作できるのだということが関係者の口から繰り返し語られる。


作中で「テック企業って、ある程度まではパーカーを着た善人が世界をより良くするため頑張ってるって感じだけど、ある規模を超えるとまったく油断のならない不気味な存在になるよね」みたいな会話があるけど、今や絶大な支配力を持つGAFAを始めとする大企業にあらゆるデータを握られているという危険性が、この作品を見ると冗談じゃなく怖いと感じる。そして認めたくはないけど、そのデータを「取り戻す」ことは既にして不可能な地点にまで来てしまっているということも。。自分は大丈夫、そんな簡単に洗脳されるほど愚かじゃないから、と思いたい気持ち半分、しかし結局は自分の思考や決断は普段取捨選択する情報の積み重ねで形成されていることを考えると、自分で思考し自分で決断していると思っているその考えや行動のベースの部分が、どこの誰とも分からない者によって都合の良いように「操作」されているのだとすれば、、、と考えると、これほど恐ろしく絶望的なことはないだろう。今のところこうした脅威を取り除く手段は無いに等しいけれど、インターネットによって「つながれた」世界の現状を今一度考えるうえで、ぜひ見ておいたほうが良い作品だと思う。そう言えば先に書いた「シリコンバレー」では、主人公のリチャード・ヘンドリクスが構築を目指そうとするのは、一部の巨大企業が牛耳る既存のプラットフォームに変わる、ニュー・インターネット=分散型のインターネットシステム≒ブロックチェーンであった。

 

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夕方にローラー45min。晩ゴハンは昨日ラクサを作る際に調合したベトナムカレーパウダーを使って、スパイシー唐揚げ。ビールを飲んだけど、やっぱり今年はビールがあまり美味しく感じられない。飲んでる途中で温くなってしまうのが問題なのかしらん。食後に奥さんとウォーキング。川沿いでも涼しさを感じることがほとんどないぐらいに蒸し暑かった。

| かっつん | 20:39 | comments(0) | - | pookmark |
レーダーとにらめっこする日々

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6月30日日曜日。西日本では災害レベルの大雨に警戒を、と言われていたので、今朝は走れなくてもOKと普段より長めに寝て、6時頃に起きた。いきなり豪雨になりそうな空模様だけど、レーダーを見るとまだしばらくはヤバそうな雨雲がかからなさそうだったので、とりあえず7~8kmだけ流そうと日焼け止めも塗らずノーアップでスタートした。

 

スピードは出ないけど、全身が異常にダルいということもなく、淡々と距離を刻む。空模様を見ながらすこーしずつ距離を延ばし、トータル14.1kmまで。ave.4:40/kmでかなり遅いけど、今日はまぁ、走れただけで満足。今朝も朝食は味噌汁で済ませ、雨脚が強まってきた中をスーパーへ。風も強く、傘をさしていても足元はビショビショに。来週の週間予報ではずっと傘マークが並んでいて、毎朝こんな雨の中を仕事に行くのはイヤやな〜とうんざりした気分になる。

 

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そんなんだし、ランチは好きなものを食べて美味しいワインを飲みたいなと、今週もまたピザを焼く。生地を捏ねる時間は15分ほど、発酵40分ほどでオーブン予熱を開始し、20分ほどで260℃まで上げる。トマト缶と玉ねぎみじん切り1/2個分を使えば、ピザ2枚を焼くのにちょうど良い分量のピザソースが自作できるけど、この一手間で相当にフレッシュな美味さが増すのでオススメ。

 

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1枚はシンプルにブッラータと手作りソースを合わせるだけ。もう1枚はゴルゴンゾーラ、レッドチェダー、カマンベール、マリボーにゴーダ、サムソーなどチーズを盛り合わせたもの。焼き立てのピザは梅雨時の暗い空を忘れるぐらいに美味しくて、かなりハッピーな気持ちになる。最近は白ワインばかり飲んでたけど、今日はプーリア州のネオ・ディ・トロイアという品種を使った赤を開けた。これも1,500円前後で買える安いワインだけど、フルーティな香りとジューシーな飲み口で満足感がありつつ、タンニンはスッキリとしていて後味の重さもなくかなり飲みやすくて美味しい。一度の食事で赤を一本近く開けてしまうことってあまり無いんだけど、これはスルスル飲めてしまったな。昨日の白ともども、リピしたい1本。

 

 


アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺


今週少しずつ観進めていた映画。全9話で8時間ほど。1997年4月から7月にかけて、世界的デザイナーのジャンニ・ヴェルサーチを含む5名を殺害した連続殺人犯アンドリュー・クナナンと、その被害者たちを描いた作品。ともすればそのセンセーショナルな表層にのみスポットを当ててしまいそうな事件だけど、本作ではそれぞれの人物の境遇や時代背景を、ある明確なメッセージ性をもって完璧に描いている。具体的に言うとそれは、当時のゲイなど性的マイノリティが置かれていた非常に差別的な状況であり、そしてそんな厳しい社会においても身近な人たちからの理解(あるいは信頼や愛情)を支えに、自らの努力(や信念に基づいた選択)によって生き、社会的にも成功を収めた人たち(クナナンに殺害された5人)の姿であり、そして一切の努力をすることなく「特別な人生」を渇望し、ただただその願望に塗れた虚飾で自分を偽り続けた連続殺人鬼(クナナン)のおぞましい姿との対比である。各話ごとに「このドラマは事実に基づいたフィクションです。セリフはドラマのために創作されたものです」という断りが入るとおり、映画全体で作者側の上述したような強いメッセージ性が感じられた。クナナンが最初の殺人を犯してからヴェルサーチ殺害に至るその日まで、被害者がゲイであることへの無意識下の偏見から捜査が遅れ、結果的に何度かあったクナナン逮捕の機会を逸してしまっている描写が、なんとも強烈でやり切れない気分になった。


アンドリュー・クナナンを演じたダレン・クリスは、日本だと「glee/グリー」の俳優さんとして有名だけど、この人を始め、出演者全員の演技力が半端なく高い。中でも、2番目の犠牲者となったデヴィッド・マドソン役を演じたコーディ・ファーンの端正なルックスとその内面の動きを絶妙に浮かばせる演技が印象的。ちなみに彼が父親に自分がゲイであることをカミングアウトするシーンでお父さんの答えが

 

「考えていいか?間違えたくない」

「気にならないと言いたいがそれは無理だ」

「だが自分の人生よりお前を大事に思っている」

 

というとても胸を打つもので。こんな風に言える父親って、なかなかいないだろうな。


それからジャンニ・ヴェルサーチの妹のドナテラ役を演じたペネロペ・クルス。実は途中までこれがペネロペだと気づかず、この人の眼差しはなんかペネロペっぽい、、、と思って観ていたんだけど、本作におけるキーパーソンの一人としてイタリア訛りの英語を話す彼女の姿は、もう完全にドナテラ・ヴェルサーチその人にしか見えなくなっていた。殺害現場でもあり、今もマイアミに現存するヴェルサーチ邸で実際に撮影された多くのシーンを含め、映像美的な観点からもかなり見応えがあり、目が離せなかった。あまりに全てのレベルが高すぎて、これを観てしまうとほとんどのドラマがお遊戯に見えてしまいそうなぐらい、非常に濃密な作品だった。このアメリカン・クライム・ストーリーズの1作目ではO.Jシンプソン事件を題材にしており、こちらも非常に高い評価を受けている作品だそうで、これもまた時間を見つけて視聴したい。

 


夕方にローラー。今月のランは自己最長距離の478km。バイクと合わせて月間1000kmを超えたのはもしかしたら初めてかもしれない。

 

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晩ゴハンはピーナッツバターやココナッツミルク、ナンプラーなどでマリネしておいた鶏むね肉を使ってインドネシアの焼き鳥=サテ風に。あとは昨日できなかった鱈を使ったフリット。めちゃビールが合いそうな感じだったけど、昼にようさん飲んだのもあって水だけにしといた。

| かっつん | 20:38 | comments(0) | - | pookmark |

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